スコア競争の健康経営から、“本質改善”へ
いま企業が選ぶべきアプローチは何か。
健康経営の認定制度が普及し、人的資本経営の文脈が広がったことで、
企業の健康経営への取り組みはさらに拡大した。
中小規模法人部門の認定数で見ても、
2017年が申請数318件に対し、2025年の申請数は19,796件と、
制度は浸透し、取り組み自体は広がっている——これは間違いない。
しかし今、現場を見ると別の兆候が見えてくる。
「認定の取得・維持」が目的化し、「本質的な経営課題解決」を見失った
「スコアのための健康経営」が増えている。
形式的な取り組みやチェックリスト消化型の施策が増え、
実態改善につながらないケースは珍しくない。
スコアは良い。だが、現場は変わったか?
弊社が相談を受ける企業の中には、認定取得済・高スコアでありながら、
休職復職対応や制度運用が属人的で破綻気味なケースがある。
例えば休復職フロー。
多くの企業では、制度自体は整備されている。
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- ・休職者への給与補償
- ・復帰後の配慮
- ・外部支援制度
しかし、実際の運用は下記のようになっていることも少なくない。
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- ・現場判断がバラバラ
- ・記録が残らず属人運用
- ・休職者は放置され、復帰できず再休職
制度はある。だが、正しく機能していない。
これは極端な例ではなく、むしろ「認定企業ほど起きているギャップ」だ。
誰が埋めるべきギャップなのか
近年その役割を期待される存在が「保健師」だ。
保健師とは、看護師の資格を持ちつつ、人の健康課題を予防・改善し、生活や職場環境まで含めて支援する専門職であり、
健康経営に取り組む中で、未病・予防を重要視している企業から徐々に注目を集めている。
保健師は、その専門性を活かし、未病・予防を促進させるため、産業医・人事・現場間の橋渡しとして、導入されることが多い。
しかし導入企業の一部では、保健師がその専門性を十分に発揮できず、次のような状態になっている。
・人事のタスクを肩代わりするだけの作業者化
・提案や制度改善ではなく「依頼対応係」
・専門性を活かす前に現場に飲み込まれる
結果として、
「保健師を入れたが変わらない」、「ただ人件費が増えただけ」という声すら出てくる。
本来保健師は医療・支援・予防の専門職だが、
制度設計や法的解釈、組織運用設計などが絡む領域になると、
単独では動けないケースが多く、専門性が発揮しにくくなる。
つまり「保健師の専門性を活かす土台」が、企業側に用意されていない場合、
「保健師を入れたから」といって改善していくとは限らないのだ。
今、企業に必要なのは「自走できる保健師の仕組み化」
我々が考える次の健康経営は、制度取得型から運用改善型へ。
点数ではなく、職場の健康成果を出すフェーズへ。
このように変わっていくと考えている。
そのためには、単に保健師を採用・配置するのではなく、
-
- ・役割定義
- ・フロー整備
- ・産業医/人事との連携設計
- ・相談体制・支援モデル
上記要素を含めた「保健師が成果を出す仕組みづくり」が必要になる。
そしてこの仕組みづくりは、保健師自身が動きながら見えてくる実態を踏まえてやることで、
実効性のある健康経営推進となる。
単純に外部のコンサルなどに依頼する場合と異なり、
保健師が人事の手足となって動く時間や期間は持ちつつも、
どのように良い仕組みへと転換していくかが重要となる。
必要なのは、
「現場と制度の間を翻訳し、仕組みを動かす保健師コンサルティング」である。
まとめ
健康経営は、制度が普及し成熟期に入った。
次の問いはこうだ。
「点数を取るために動くのか」
それとも
「会社と働く人の未来のために改善するのか」
後者を選ぶ企業が増え始めている。
その変化を支えるのが、私たちの「保健師コンサルティング」だ。
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