ストレスチェックの高ストレス者と、医師による面接指導の手順

日付2021.07.25
更新日:2021.12.24
高ストレス者の基準

医師面接が必要となる「高ストレス者」とは?

ストレスチェックの結果、一定の数値以上にストレスが高い状態だった人のことを「高ストレス者」といいます。高ストレス者の選定方法については、ストレスチェック結果の各項目から計算する基準が示されています。
その基準については、企業が行う衛生委員会での調査審議を経て、企業が評価基準を決定します。しかしやや複雑なため、実際には厚労省が推奨する基準に従い自動的に高ストレス者が選定されるケースが多くみられます。
高ストレス者の基準は以下のようになります。

高ストレス者の基準

高ストレス者の基準

高ストレスと判定された従業員の中から、企業が面接指導を受ける必要がある従業員を選別し、実施事務従事者(ストレスチェック実施に伴う事務作業の担当者)が該当従業員へ通知します。その後、医師による面接勧奨を行い、面接希望の申し出を確認します。
実際には、高ストレスと判定された従業員全員に対して面接を勧め、面接希望の申し出を確認するケースがほとんどです。できるかぎり高ストレス者には面接を受けてもらうようにしましょう。

 

医師による面接指導の流れ

1.労働者への通知

人事労務担当者から、高ストレス者で医師面接を希望した従業員本人に通知を行います。

2.医師面接の準備(事前の情報共有)

人事労務担当者は、医師面接を行うことになった従業員に関する情報を用意して、事前に医師へ共有します。Dr.健康経営が提供する「面談者事前記入シート」を従業員本人に事前記入してもらい、会社経由で医師へ共有すると効率的です。
また、授業員の健康診断結果、通院している場合にはお薬手帳、血圧や体組成の測定結果(会社に血圧計など器具がある場合のみ)、本人の性格、業務内容や職場環境などもできるかぎり情報があるとよいでしょう。

※Dr.健康経営が提供するテンプレートはこちら!ぜひご活用ください。

・面談者事前記入シート

3.医師面接の実施

ストレスチェックの個人結果、Dr.健康経営の提供する「面談者事前記入シート」の内容などを参照しながら、本人の身体状況、精神状況、業務状況について医師が確認を行います。
その際に、睡眠や食事などの生活リズム、労働時間や月の残業時間、勤怠状況(遅刻早退欠席など)、精神症状の有無、職場やプライベートでのストレス要因など、就業制限を検討すべき項目を中心に聴取されます。
その結果、受診が必要な場合には医療機関の受診の説明を受けたり、必要に応じて医師から紹介状を書いてもらいます。
面接内容のうち、医師から会社に報告すべき・報告したほうがいいと考えられる内容について、本人に共有に関する同意が確認されます。本人が拒否した場合は、面接内容について人事担当者や上司には報告されません。

4.面接報告書の共有

面接後、医師から人事労務担当者や職場の上司に、面接報告書、就業上の措置に係る意見書が共有されます。記載されている内容は、基本的に本人に共有の同意をとった項目になります。面接報告書・意見書には、必要に応じて就業制限の内容医療機関への受診の必要性なども記載されています。

 

衛生委員会での報告も忘れずに!

高ストレス者への医師面接を行った際には、月に1回開催される衛生委員会にて報告を行うとよいでしょう。人事担当者が報告をする場合が多いですが、産業医が変わりに報告するケースもあります。報告の際は、必ず個人が特定されない配慮が必要です。また、衛生委員会の議事録の記載も忘れずに行いましょう。

鈴木 健太
監修者
鈴木 健太(すずき けんた)
代表取締役/医師・産業医

1989年、東京都国立市出身。2009年、筑波大学医学部へ入学。
在学中にKinesiology, Arizona State Universityへ留学し、医学・経済学・人文学等を学ぶ。
卒後は国立国際医療研究センターで勤務医として働く。
予防医療の重要性に気づき、帝京大学公衆衛生大学院で健康経営を研究しつつ、産業医として多くの企業を担当する。