病院の診察とは違う、産業医面談の目的と種類を解説!

日付2021.07.27
更新日:2022.01.12
産業医面談

産業医面談の種類は6つ!

従業員の健康に何らかの問題が発見されたときには、産業医との面談が必要です。産業医面談には以下の6つの種類があります。

① 長時間労働者面談

長時間労働者に対する面談です。「単月100時間」or「単月80時間+疲労蓄積」がみられる従業員に対して、医師面談を行うことが法律で義務付けられています。そのため、会社の規定にもよりますが、最も頻度の多い面談になります。

② 高ストレス者面談

ストレスチェックで高ストレス者と判定された従業員に対する面談です。こちらも、高ストレス者が医師面談を希望する場合には、会社として面談を設定することが法律で義務付けられています。

③ 健康診断後の面談

健康診断の結果にもとづいて病院受診を勧めたり、就業判定や生活指導をするための面談です。ストレスチェックが年1回の心のスクリーニングに対して、健康診断は年1回の身体のスクリーニングになります。健康障害のリスクがみられる従業員に対して面談を行います。

④ メンタル不調者面談

メンタル不調者に対して受診を勧めたり、就業判定や生活指導をする面談です。メンタル面談の件数は近年増加しており、多くの企業において重要な面談となってきています。

⑤ 健康相談

身体不調または不調の疑いのある従業員に対して、受診を勧めたり、就業判定や生活指導をする面談です。会社の指示で行う場合と、本人からの希望で行う場合があります。会社指示の場合は、本人と日常的に接する上司や同僚などが不調に気づき、面談を指示して行われます。そのため、周囲ができるかぎり早めに不調に気づき即対応できるよう、上司や同僚などへの教育や会社の体制を整える必要があります。これをラインケアといいます。

⑥ 休職・復職面談

休職者・復職者に対する面談です。面談の進め方は主に、「休職中の社員の体調確認や生活指導」→「休職中の社員が復職する段階での復職判断」→「復職後のフォローアップ」と、3段階に分かれます。休職・復職の流れを説明したり、復職の判断基準に照らし合わせて回復度合いを確認したり、復帰後に就業配慮をしながら業務にたずさわるためのフォローなども面談にて行います。休職・復職はメンタル不調を理由としたものが多く、休職復職面談の件数は近年増加しており、こちらも多くの企業において重要な面談となってきています。

病院の診察とは違う、産業医面談の目的とは?

産業医面談は、いわゆる病院のお医者さんの診察とは違います。上記の6つの産業医面談すべてに共通することとして以下の3つが挙げられます。

●検査などはなく、ほとんどの情報が従業員と産業医のやりとりによって収集される。

●医学面だけでなく、就業面(仕事内容や業務条件)、生活面(生活習慣や家族友人の社会的支援)の事情を考慮して、産業医が本人と会社へ意見を提供する。

●病院の診察の目的は、患者が「日常生活を送れる」ようにすること、つまり治療や処方をすることです。一方で、産業医面談の目的は、従業員が「問題なく就業できる」状況を整えること、つまり健康面から就業上の配慮におけるアドバイスを行うことです。

鈴木 健太
監修者
鈴木 健太(すずき けんた)
代表取締役/医師・産業医

1989年、東京都国立市出身。2009年、筑波大学医学部へ入学。
在学中にKinesiology, Arizona State Universityへ留学し、医学・経済学・人文学等を学ぶ。
卒後は国立国際医療研究センターで勤務医として働く。
予防医療の重要性に気づき、帝京大学公衆衛生大学院で健康経営を研究しつつ、産業医として多くの企業を担当する。