産業保健・健康管理

職場復帰支援とは?5つのステップと休職中・復帰後のケアについても解説

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更新日:2023.05.23

昨今ワークライフバランスが重視視され、企業を選ぶ基準も多岐にわたるようになたったため、人材の確保も難しくなっています。離職を0にすることは難しいですが、人材の流出を減らすために休業した従業員の復職支援に取り組むことは重要です。

企業として職場復帰支援体制を整えるなどの対応を明確にし、準備しておくことで、スムーズな職場復帰をできるようにしましょう。

この記事では、職場復帰支援とはといった基本知識から、厚生労働省が定めている基準をもとに、事前に準備すべきことなどについて解説していきます。

職場復帰支援とは?

職場におけるメンタルヘルス問題は、やがて従業員の休職や離職、ほかの従業員の二次性メンタル不調にまでつながるリスクがあります。メンタル不調は、休業したとしても体調が完全に戻るとは限らず、再発や再休業してしまう確率が高いです。

そのため職場復帰は、会社、本人、家族にとって重要なことであり、会社として適切な職場復帰支援体制を作ることが重要です。

職場復帰支援までの5つのステップ

職場復帰支援の流れ

※画像出典元:厚生労働省改訂 心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き

休職者がスムーズに職場復帰するためには、休業開始から復帰後のフォローまでの流れを明確化する必要があります。

1:休業開始と休業中のケア

従業員が健康上の理由で休業する際は、休業届に加えて、主治医による診断書(病気休業診断書)を会社に提出する必要があります。それにより、会社は就業規則や職場復帰支援プログラムに従って休業開始の手続きを行い、休業が開始されます。

休職・復職における会社の就業規則を確認し、詳細に明記されていない場合には、就業規則の見直しを労務管理関係者と検討しましょう。

休業開始までの流れ

1:本人から管理監督者に対して、休業を希望する旨を伝える。
2:管理監督者から本人(または家族)に対して、主治医から「病気休業診断書」をもらうよう指示をする。
3:本人(または家族)から管理監督者に対して「休業届」と「病気休業診断書」を提出する。
4:管理監督者から人事に対して「休業届」と「病気休業診断書」を提出する。
5:管理監督者から本人(または家族)に対して、休業可能の報告をし、休業中の手続きや職場復帰支援の手順などについて説明をする。

休業中のケア

メンタル不調の従業員が安心して休養に専念できるよう、また休業中・復職時にトラブルが起きないよう、あらかじめ従業員と家族に対して休業手順と注意事項の説明を行いましょう。

本人は休業が必要な状態のメンタル不調なため、会社からの説明内容を十分に理解できない可能性があります。また、休業中は家族の支援がとても重要になってくるため、トラブルなく安心して療養に専念してもらうためにも、本人と家族を交えて説明を行うとよいでしょう。

また、家族も対応ができない場合は、文書化したものや必要書類一式を郵送したあとで、本人と家族に説明をするとよいでしょう。本人の状態が回復してきた際に確認できますし、トラブル防止のためにも文書など記録が残る形で、会社から本人や家族へ情報提供をしましょう。

2:主治医による職場復帰可能の判断

休職中の従業員が復帰意欲を持ち、主治医が職場復帰可能と判断した場合、主治医による「復職診断書」を本人から会社へ提出してもらいます。主治医による「復職診断書」は、復職可能かを判断するための大事な診断書です。

しかし、主治医は職場環境や勤務内容を詳しく把握することは難しいため、「復職診断書」は病状が回復してきていることだけを判断している場合が多く、勤務が可能な状況まで回復したかどうかを判断していないケースが多いです。

また、主治医は患者個人のみとやりとりしているため、本人の体調が回復していなくても、焦りや本人の事情から復帰を強く希望する場合は、復職を許可して「復職診断書」を発行してしまうケースもあります。

そのため、本人の同意を得た上で、あらかじめ主治医へ、職場で必要とされる業務遂行能力に関する情報(復職に必要な条件、社内勤務制度や職場環境など)を提供するとよいでしょう。

それにより、本人が職場で求められる業務が行える状態まで回復しているかどうかを、より具体的に主治医にも理解してもらうことができます。その上で、主治医へ「職場復帰支援に関する情報提供依頼書」を渡し、より詳しい意見を記入してもらいましょう。

※参考:厚生労働省職場復帰支援に関する情報提供依頼書

3:職場復帰の可否の判断と職場復帰支援プランの作成

職場復帰の際は、厚生労働省で定められている職場復帰支援プログラムに基づき、従業員一人ひとりに合わせた職場復帰支援プランを作成することになります。職場復帰基準は、完全復帰でない状態としての受け入れを前提としなければなりません。

職場復帰支援プランを作成する際は、以下の点に留意しましょう。

・労働者のプライバシーに十分な配慮する
・産業保健スタッフ等を中心に、労働者、管理監督者が互いに十分な連携を図る
・労働者の同意を得たうえで、主治医からの情報や意見を積極的に収集する
・休業前の就業状態に戻るまで、それぞれの段階に応じたプランの設計を行う
・「試し出勤制度」を利用する場合は、事業場であらかじめルール化しておく

※参考:厚生労働省職場復帰支援プログラム

4:最終的な職場復帰の決定

必要な情報の収集と評価を行った上で、会社が最終的な職場復帰の可否を判断します。判断は産業医・保健師を中心に行いますが、職場環境などに関する事項については、管理監督者などの意見を考慮する必要があります。

復職可の場合、復職日や「試し出社」などの復職支援プランについて、本人と家族に説明しましょう。復職日までは「試し出社」を継続し、生活リズム表も継続して記載してもらうと良いです。

復職日までに不安が強まるなど変化が起きたら、主治医や産業医へすぐに相談するように伝えましょう。

※参考:厚生労働省職場復帰支援プログラム

5:職場復帰後のフォローアップ

一般的には、元の職場への復帰が望ましいでしょう。新しい環境への適応は心理的負担がかかるため、再発につながる可能性があります。ただし、元の職場の人間関係や仕事内容がメンタル不調の原因となっている場合は、配置転換を行うことを検討しましょう。

職場復帰後のフォロー体制を構築するポイントは、以下になります。

・疾患の再発、新しい問題の発生等の有無の確認
・勤務状況及び業務遂行能力の評価
・職場復帰支援プランの実施状況の確認
・治療状況の確認
・職場復帰支援プランの評価と見直し
・職場環境等の改善等
・職場の管理監督者、同僚等への配慮

※参考:厚生労働省職場復帰支援プログラム

職場復帰までの支援プログラム

従業員が円滑に職場復帰できるように、「職場復帰プログラム」が厚生労働省で策定されています。企業は、職場復帰支援プログラムに基づき、従業員一人ひとりに合わせた職場復帰支援プランを作成する必要があり、その際に大切になる主なポイントは以下の通りです。

試し出社を実施する

主治医の「復帰診断書」「生活リズム記録票」と、産業医面談からだけは、職場での業務遂行能力を見極めるには限界があります。

そこで、厚生労働省の手引きでは、正式な職場復帰決定の前に「試し出社制度」を設けることを勧めています。試しに勤務してみることで、職場復帰にむけた業務遂行能力の回復を段階的に見極めることができ、本人にとっても復帰に向けた練習となります。

本人との面談の結果、仕事に耐えられる体調の回復が確認できれば、復帰前に「試し出社」を一定期間(一般的には2週間程度)行います。「試し出社」を実施する際は、必ず本人による「復職願」のほかに、「試し出社申請書・同意書」の記入、主治医による許可が必要です。

試し出社の種類・段階

試し出社には以下の段階がありますが、全ての段階をおこなう必要はなく、復職する従業員にあった形で試し出社を実施することが大切です。

通勤訓練 自宅から職場までの通勤経路を移動し、職場付近へ模擬出勤してもらいます。例えば行き先を図書館に設定した場合、まずは電車の往復だけから試み、次に図書館に1時間滞在し、1~2週間かけて8時間滞在まで伸ばすことを目指します。その後は実際に会社へ訪問し上司と会ったり、会社に滞在していきます。
模擬出勤 就業する時間帯に、近くの図書館やリワーク施設に滞在し、仕事に関連がある軽作業を試みたり、仕事に関係する資格取得に向けた勉強をするなど、仕事に戻れるような準備をします。
試し出社 実際の職場に滞在します。就業ではないので労務の提供ができないため、仕事に関係のある資料を読ませたり、勉強や器具のセットアップなどをしてもらったりしましょう。出勤時間は始業時間から始め、終わりを早めるようにし、徐々に滞在時間を長くしていきます。調子のよいときのみ出勤するのではなく、短時間でも毎日始業時刻に出勤することが重要です。

業務遂行能力の回復状況「リワークプログラム」

リワークプログラム」とは、精神疾患を原因として休職している労働者に対し、職場復帰に向けたリハビリテーション(リワーク)を実施する機関で行われているプログラムです。

リワークの目的

・病状を回復、安定させること
・復職にむけた準備
・再発防止のためのセルフケア能力向上

リワークの種類

リワークの種類

※画像出典元:一般社団法人日本うつ病リワーク協会公式サイト

職場環境の改善

本人の体調の回復度合いを確認する一方で、同時に復帰を受け入れる職場側も見直す必要があります。本人や上司、そのほかの職場スタッフへのヒアリングなどを行い、人事総務、上司、産業医で職場環境の改善を検討しましょう。

確認事項

業務内容 業務の具体的な内容、業務量(作業時間、作業密度)、業務の質(要求度、困難度)、業務の管理や指示系統
業務や職場との適合性 本人の能力、意欲・関心、人間関係など
職場による支援 職場の雰囲気やメンタルヘルスに関する理解度、上司や同僚の支援や相談体制、不測の事態への対応策、就業上の配慮(業務内容や業務量の調整、配置転換や異動、勤務制度の変更など)

定期的なヒアリングを行う

本人の体調の回復、職場環境の見直しができたら、次は、休業に至った本人側の原因が見つめ直されているかどうか、産業医面談や上司との面談などを通して確認しましょう。

本人が原因を理解し、今後の対応策を考えることができればメンタル不調の再発を予防することができます。

職場復帰後のケアも大切

メンタルヘルスが原因の休職が発生した場合は、職場復帰をした後のケアにも十分な配慮が必要です。特に、業務が忙しすぎることや、職場の人間関係で悩んでいた、仕事内容が合わずに発症したなどという場合は、再度同じことが起こることがないように働き方を見直す必要があります。

また、万が一再発が疑われる場合は、すぐに主治医の診察や治療を受けられるようにし、状況を悪化させないようにしましょう。メンタルヘルスが原因のトラブルは再発しやすいため、企業側は、十分な注意と配慮が必要です。

職場復帰後は、完全に復帰できる状態だと前提しないことも大切です。最初から重い仕事を任せるのではなく、徐々に業務に戻れるように社内で協力できる体制や雰囲気づくりを心掛けましょう。

スムーズな職場復帰のためには、周囲の協力が不可欠です。産業医などによる定期的なヒアリングや、本人の状況確認を行い、働きやすいように、業務内容や業務量を調整してください。

休職になった従業員への説明事項

メンタル不調の従業員が安心して休養に専念できて、休業中・復職時にトラブルが起きないように、休業開始時には、従業員と家族に対して休業手順と注意事項の説明を行いましょう。

会社との連絡について

休業中は書類の申請や提出、定期的な体調報告などが発生します。連絡の窓口が毎回異なると適切に情報共有されない可能性があるため、会社の窓口は一本化して担当者を決め、必要に応じて担当者から人事スタッフや産業保健スタッフへと連携できるようにしておきましょう。担当者には、管理監督者や職場の上司がなるケースが多いです。

休業期間について

有給休暇(有給でどこまで休めるのか)、病気欠勤(有給消化後、病気欠勤扱いはいつまで可能か)、病気休暇、休職期間 (休職満了日はいつか)など、会社の就業規則を確認しましょう。

休業期間満了後に雇用契約を解除する場合などは、あらかじめ就業規則に定めて周知しておく必要があります。

経済面について

休業中の身分保障

長く療養していたり休職するとクビになってしまうのではないかと不安になり、安心して療養に専念できず、焦って回復していない状態で復職しようとしてしまうケースも多くみられます。就業規則などで休職中は身分保障されていることを説明し、安心して療養に専念してもらいましょう。

ただし同時に「休職期間=解雇のための猶予期間」でもあるため、各企業にて就業規則で以下のことを定めておくとよいでしょう。

・会社として認めている休職期間
・再休職時の休職期間:復職後に同一の理由で再休職した場合、どこまでが同一の理由として認められるか、前回の休業期間を算入するか、どの程度経過すれば前回の休業期間がリセットされるか(クーリング期間)
・休職満了日以降はどの程度身分保障するのか
・休職満了後に雇用契約の解除を行う条件や流れ

傷病手当金

最長で1年6カ月間支給されます。主治医より証明書を発行してもらい、傷病手当金の申請をすることを本人へ伝えましょう。

労災保険

休業中に相談や手続きなどのために本人が来社することもあります。これは出勤には該当しないため、来社中の事故・ケガは労災保険の適用になりません。そのため以下のことを本人に説明しておきましょう。

・来社中の事故・ケガは労災保険の適用にならないこと
・状態が不安定な時は無理して来社しないこと
・来社時の交通費を会社で負担するかどうか決めておくこと

社会保険料の支払い

就業中は、従業員は労働保険(雇用保険、労災保険)と、社会保険(健康保険、年金保険)の保険料を企業と本人折半で支払っており、本人の支払い分は給与から天引きとなります。

一方、休業中は「労働義務を免除されている状態」のため、社会保険のみを企業と本人の折半で支払う必要があります。しかし、休業中は給与が発生していないため給与天引きができないため、休業中に支払ってもらう方法として、以下のどちらがよいかを本人と相談する必要があります。

・毎月支払う
・復職後(または退職後)にまとめて支払う

ただし、休業中は金銭的に余裕がないことが多く、本人に安心して休養してもらうためにも、復職後にまとめて支払う方法が一般的です。

相談先について

不安・悩みなどの相談先の紹介

企業内の相談体制、EAP(※1)など外部の相談機関、地域の相談制度などの情報提供をしましょう。
(※1)EAP…メンタルヘルス対策として高い評価を得ている「従業員支援プログラム(Employees Assistance Program)」

公的・民間の職場復帰支援サービスの紹介

医療機関や地域障害者職業センターで行われているリワークプログラム(※2)などの情報提供や紹介をしましょう。
(※2)リワークプログラム…return to workの略。メンタル不調が原因で休職している労働者に対して、職場復帰に向けたリハビリテーションを実施する機関で行われているプログラムのこと。「復職支援プログラム」や「職場復帰支援プログラム」ともいいます。

休職中のケアのポイント

産業医紹介会社を比較する際のポイント

スムーズに復職してもらうためにも、休職中の従業員のケアは重要です。以下のポイントに注意して休職中もケアを怠らないようにしましょう。

人事から職場への対応

同じ職場の社員へは、本人が休養が必要になった事実とその期間のみを伝え、診断名や病状などの詳細を伝えるのは控えましょう。また、会社の休職・復職制度が整備がされているか、定期的に見返すとよいでしょう。

診断書の再発行

主治医による休業診断書は、とりあえずの休業期間を記載されていることが多いので、本人の回復状況によって、さらに継続して休業が必要な場合は、主治医より休業診断書を再発行してもらうように告げ、会社へ提出してもらいましょう。

重大な決断の延期

休業すると申し訳ない気持ちから「会社を辞めたい」と思うことがあります。メンタル不調の場合、正常な判断力が低下しているため、重大な決断は回復後まで延期するように促しましょう。

会社から本人への定期連絡

本人と連絡する担当者を決め定期的な連絡をとりましょう。

定期連絡の際に確認する事項

・手続きや申請など:主治医から証明書をもらい、傷病手当金の申請が実施されているか確認しましょう。休職満了日まで残り数カ月の場合は、本人と家族同席の上、復職手順や復職に必要な条件などを説明し、満了日を念頭に今後について相談しましょう。

・安否確認や体調の回復:体調が回復し復帰が近くなってきた場合、生活リズムの調整、社会機能回復への調整を指導し、また本人に休業に至った原因について考えてもらいましょう。また、復職手順の説明もするようにしましょう。

・本人の悩みなどについて傾聴

休職期間の4つの考え方

メンタル不調の従業員の休業期間中については、以下の4つの考え方がポイントになります。

年次有給休暇(失効年休積立制度の利用)

基本的に年次有給休暇(以下、年休)の範囲内で療養が完了するのであれば欠勤(病欠)や病気休暇、休職をする必要はなく減給もないため、短期療養の場合は理想的です。

ただし「年休のとれる間で治す」という考え方は、メンタル不調が問題の場合、焦りなどが療養に影響を与える可能性が大きいので、あらかじめ病気休暇あるいは休職にするのがよいでしょう。

また、前年度までに失効した年休を積立て病気療養に使える「失効年休積立制度」を導入している企業もあります。

欠勤(病欠)

年休を使い切ると、欠勤期間に移行します。この際に診断書の提出があれば病気欠勤となります。

病気欠勤では給与は発生しませんが、待期期間(※3)が完了すれば、傷病手当金の申請が可能です。長期欠勤は、ボーナス算定や社員評価に響くため、長期の場合は病気休暇や休職を活用する方がよいでしょう。
(※3)待機期間…連続して仕事を休んだ日から3日間。休日、年休を含む。

病気休暇

病気休暇制度を導入している会社では、年休を使い切っても診断書の提出があれば、年休と同様の長期の有給休暇をとれるため、制度を利用することが理想です。その期間は会社の定めによりますが、最長1年6カ月に設定る企業が多くみられます。

休職

欠勤が「労働の義務があるのに休んでいる状態」なのに対し、休職は「労働の義務が免除された状態」となります。

ただし欠勤と同じように傷病手当金を申請することができ、労働不能な期間であるため、ボーナスや社内で規定された社員評価に響くことはありません。

傷病手当金とは

傷病手当金は、以下のすべての条件を満たしたときに、最長で1年6カ月間支給されます。また、1日当たりの支給額は「標準報酬日額×約2/3」が支給されます。

1. 業務外の事由による病気やケガの療養のための休業であること
※業務上・通勤災害によるもの(労災保険の給付対象)や病気と見なされないもの(美容整形など)は支給対象外となる。
2. 仕事に就くことができないこと
※判定は、被保険者の仕事内容を考慮して判断される。
3. 連続する3日間を含み4日以上仕事に就けなかったこと
※下記の待機3日間(あくまで連続して休んでいる事が必要。休日も年休も含む)の考え方に注意。
4. 休業した期間について給与の支払いがないこと
※給与の支払いがあっても、傷病手当金の額より少ない場合はその差額が支給される。

待機3日間の考え方

待機3日間の考え方は、会社を休んだ日が連続して3日間なければ成立しません。連続して2日間会社を休んだあと、3日目に仕事をおこなった場合には、「待期3日間」は成立しません。

傷病手当金が支給される期間

傷病手当金が支給される期間は、支給開始した日から最長1年6ヶ月です。これは、1年6ヶ月分支給されるということではなく、1年6ヶ月の間に仕事に復帰した期間があり、そのあと再び同じ病気や怪我により仕事に就けなくなった場合でも、復帰期間も1年6ヶ月に算入されます。支給開始後1年6ヶ月を超えた場合は、仕事に就くことができない場合であっても、傷病手当金は支給されません。

まとめ

メンタルヘルスが原因で休職した従業員が復職する際には、厚生労働省で策定された「職場復帰支援プログラム」に基づき、対象の従業員一人ひとりにあった「職場復職プラン」を作成することが大切です。

メンタルヘルスの不調による休業は、再発する可能性も高いため、企業は、主治医や産業医、企業担当者、部内の社員と上手く連携をとって、従業員が復帰しやすい環境づくりをする必要があります。

また、再発防止のためには復帰後のフォローも継続していくことが重要となるため、この記事で解説したことを参考にしていただき、従業員のスムーズな復職を目指しましょう。

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鈴木 健太
監修者
鈴木 健太
医師/産業医

2016年筑波大学医学部卒業。
在学中にKinesiology, Arizona State University留学。
国立国際医療研究センターでの勤務と同時に、産業医として多くの企業を担当。
2019年、産業医サービスを事業展開する「株式会社Dr.健康経営」を設立、取締役。

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