メンタルヘルス・ストレスチェック

ストレスチェックの結果はどこまで開示される?通知方法や開示内容の範囲を解説

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更新日:2023.02.20

労働者を常時50人以上使用している事業所が、年に1回実施しなければならないストレスチェック。
従業員のメンタルヘルス不調を未然に防ぐためのシステムですが、結果が会社に知られてしまうのではないかと不安になる従業員も少なくありません。
従業員が安心してストレスチェックを受けられるように結果の開示について解説します。

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そもそもストレスチェックとは?


ストレスチェックは、労働者がメンタルヘルス不調になることを未然に防止する「一次予防」のための制度です。労働安全衛生法に基づいて、従業員が安心して受検できるシステムが構築されています。

ストレスチェックの概要

2006年に公表された「メンタルヘルス指針」によって、職場のメンタルヘルスに関する取り組みが促進されてきました。
その後、一次予防をさらに推進するために、2015年に労働安全衛生法が改正され、常時従業員を50人以上使用する事業所では、年に1回ストレスチェックの実施が義務付けられました。
ストレスチェックはストレスに対する質問に回答し、自分は今どういうストレス状態にあるのかが分かる検査です。
高ストレスと判断された場合、医師による面接指導を受けて業務量の低減措置やその他職場環境の改善に繋げられます。これによってメンタルヘルス不調を未然に防止できます。
また、安心して受検できるように、実施者や実施事務従事者のような重要な個人情報に携わる人には、労働安全衛生法で守秘義務が課せられています。

ストレスチェックの結果はどうやって渡されるの?

チェック結果は受検した従業員本人に直接通知されます。通知は、封書または電子メールで行います。これは通知結果が他の人に見られないようにするためです。
面接指導の対象になる高ストレス者だけ違った方法で通知するなど、他の人に推察されるような通知方法も好ましくありません。
チェック結果の通知時に受検者の知らないところで結果が会社に通知されることはありません。
一方、Webを利用したチェックで、回答後にストレスプロフィールや高ストレス者に該当するか等の結果が表示される場合は、結果を自分で出力・保存・常時閲覧ができれば受検者に対して通知は不要とされています。
この場合も結果が会社に勝手に通知されることはありません。

結果の通知内容

通知される内容は次の通りです。

<必須通知項目>
・個人ストレスプロフィール
・ストレスの程度(高ストレス者に該当するかどうか)
・面接指導の対象者かどうか

<推奨通知項目>
・セルフケアのためのアドバイス
・面接指導対象者に対して事業者へ行う面接指導の申出方法

本人のセルフケアに繋げることを目的として、グラフやアドバイスによって現在のストレス状況を分かりやすく伝えています。

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ストレスチェックの結果が開示される範囲

チェック結果を知れるのは「本人・実施者・実施事務従事者」のみです。
結果は本人に直接通知されるため、その間に会社が関与することはありません。本人が同意しない限り、会社は結果を知れない仕組みになっています。

結果を知ることが出来る実施者と実施事務従事者とは?

実施者とは、ストレスチェックを実施し結果を評価する人です。
「医師や保健師、厚生労働大臣が定める研修を修了した看護師、または精神保健福祉士」が実施者になれます。
一方、実施事務従事者は、実施者の指示に従い補助的作業を行う者。社員がなることもあれば、外部に委託することもできます。
実施者も実施事務従事者もストレスチェックの結果に携わるため、それに関する守秘義務が課せられています。
またチェック結果による会社内の不利益扱いを防ぐため、人事権をもっている人は実施者や実施事務従事者になれません。
第三者や人事権を持つ人が、チェック結果を見ることは労働安全衛生法で禁じられています。

同意がなければ結果は事業者に開示されない

同意がなければチェック結果は事業者に開示されません。
同意は書面か電磁的記録により、個人に対し取得しなければなりません。ストレスチェックの実施前や実施時の同意取得や衛生委員会などでの包括同意は禁止されています。
当然、事業者・実施者・実施事務従事者による同意の強要や同意しないからと事業者による不利益な扱いは禁止されています。

同意取得の方法は次の通りです。
・チェック結果通知後、事業者、実施者、実施事務従事者が受検者に個別に同意を確認
・チェック結果通知後、実施者、実施事務従事者が、面接指導が必要な受検者に対して個別に同意を確認(他の人に面接指導対象であることを分からせない方法による)

いずれもチェック結果通知後に受検者は同意するかしないかを選択できます。
ただし、この規定があるからと言って、絶対に事業者が行ってはいけないことがあります。同意の強要や強要していると思われるような行為です。
どんな時でも受検者のチェック結果に対する権利は守らなければなりません。
一方で同意していない場合でも、受検者が同意したものとみなされるケースがあります。それが、受検者が面接指導の申出を会社に行った場合です。

面接指導を申し出ると結果を会社に開示することになる

ストレスチェックの結果、高ストレス者に該当すると判定された場合、会社に申し出て医師の面接指導を受けることが出来ます。
この場合、チェック結果を会社に開示することに同意したとみなしてもさしつかえないとされています。
同意のみなしについては、事前に受検者に対して通知することが望まれます。
また、必要最小限で会社は関係者に結果を開示することが出来ますが、誰にどこまで開示するかは会社の判断に委ねられるため、事前にルールを決めておくことが大切です。

ストレスチェックの結果を会社に開示する目的


ストレスチェックは、現在の本人のストレス状態を知り、メンタル不調を未然に予防する「セルフケア」だけが目的ではありません。
抱えているストレスの要因が職場環境にあった場合、会社は職場環境の改善を図らなければならなりません。
職場環境が変わらなければ、どれだけセルフケアをしてもストレスが解消されない可能性もあります。
職場環境を改善することで、従業員のストレスは低減し、働きやすい職場となり、生産性や業績アップにつながります。
チェック結果による異動や解雇など、本人の不利益につながる不当な人事措置は労働安全衛生法で禁じられています。
高ストレス者に判定され、会社にそのストレスの原因がある場合、開示することでストレスの軽減も期待でき、部署や会社全体の環境の改善につながります。
このように「職場環境の改善によるメンタルケア」も目的としています。

従業員が結果を会社に開示しない場合


ストレスの要因が職場環境にあったり、かなりの高ストレスであったりしても、会社にはチェック結果を知られたくない人も少なからずいます。
具体的には、高ストレス者で面接指導の案内が来ているにもかかわらず、申出をすると会社に結果が知れてしまうからと面接指導を受診しないケースです。
そのままにしているとストレスは低減せず、うつや適応障害といった精神疾患やメンタル不調につながってしまいます。ストレスチェック制度の目的である一次予防が達成できなくなります。
例えば、近くの心療内科やカウンセラーによるカウンセリングの受診や、会社に社外窓口がある場合はその利用を勧めましょう。
そのほかにも、ストレス発散や適度な運動、十分な睡眠摂取など、セルフケアについて会社を上げて情報発信していくことが有効です。

まとめ:安心して受検できるチェック制度です


ストレスチェックは労働安全衛生法の規定により結果が保護されているため、安心して受検できるチェック制度です。しかし、会社に結果を知られる場合がある点に不安を持つ従業員も多くいます。
安心してストレスチェックを受けられるように、制度の概要やメリット、会社の体制を正しく従業員へ伝えることが重要なポイントです。
さらに従業員がセルフケアや職場環境改善へつながる知識を身につけられるように、セミナーを実施したり情報発信をすることも大切です。

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鈴木 健太
監修者
鈴木 健太
医師/産業医

2016年筑波大学医学部卒業。
在学中にKinesiology, Arizona State University留学。
国立国際医療研究センターでの勤務と同時に、産業医として多くの企業を担当。
2019年、産業医サービスを事業展開する「株式会社Dr.健康経営」を設立、取締役。

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