産業医の選任は紹介会社がおすすめの理由は?他の方法も詳しく解説

日付2020.09.16
更新日:2022.03.30
産業医の選任は紹介会社がおすすめの理由は?他の方法も詳しく解説

50人以上の従業員が働く事業所では、産業医を必ず選任しなければいけません。しかしどこで産業医を頼めばいいのかわからない管理者も多いのではないでしょうか。
産業医の選任は紹介会社や派遣サービスがおすすめな理由と、その他に紹介を依頼できる機関についても解説します。

産業医は要件を満たした医師に頼む必要がある

産業医は要件を満たした医師に頼む必要がある
産業医は、事業所で働く従業員の心身の健康を守り、安全で快適な職場環境が維持できるよう管理者に指導やアドバイスを行う役割があります。
専門的な知識が必要で、医師免許がなければいけません。また、医師免許の他に一定の要件を満たさないと産業医にはなれません。
産業医になる条件は、安衛則第14条第2項で定められています。

・厚生労動大臣が定める日本医師会認定の産業医学基礎研修もしくは産業医科大学の産業医学基本講座を修了した人
・労働衛生コンサルタント試験の保健衛生区分合格者
・大学で労働衛生を担当する教授、助教授、または常勤講師の職に就いている人(かつて就いていた場合も可)
・産業医養成課程がある産業医科大学またはその他の大学を卒業し、実習を履修した人

医師免許と上記のいずれかが必要です。

【参考URL】

http://jmaqc.jp/sang/occupational_physician/index.html

産業医の選任は2週間以内

産業医の選任は2週間以内
すべての事業所で産業医を選任する必要はありません。しかし常時働く従業員が50人以上いる事業所は産業医の選任が義務付けられています。
産業医を選任したあとは、労働基準監督署長に届出が必要です。
50人を超えた時点で、事業所は14日以内にすみやかに産業医を選任しなければいけません。また今までいた産業医が辞めた場合も、14日以内に新しい産業医を見つける必要があります。

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産業医を紹介してもらえる機関

産業医を紹介してもらえる機関
産業医紹介を相談できる機関はいくつかあります。選任しなければいけない時に相談できる場所を紹介します。

健診を依頼している機関

従業員の健康診断を依頼している機関には産業医や産業看護師がいるので、相談すれば産業医を紹介してもらえる可能性があります。
健康診断の結果は、産業医がチェックし、異常所見が見られる従業員には再検査や精密検査を勧めることもあります。
健康診断を担当する医師に産業医を依頼できれば、従業員の健康管理もスムーズに行えるでしょう。
ただし、健康診断の繁忙期には対応してくれない場合や、健診以外は柔軟に対応してくれない場合もあります。

地元の医師会

事業所がある地域の医師会に相談もできます。医師会に登録している産業医がいることがあり、紹介してくれる場合があります。
また事業の一環として産業医紹介を行う医師会は、Webサイトに派遣できる産業医の名簿を載せていることもあります。
地元の医師会は、それぞれの地域で産業医の資格を持つ医師を紹介してくれるので、地方の事業所で産業医が必要な場合などに便利です。
全国各地に事業所がある場合は、それぞれの地域で産業医を探さなければいけません。また、医師会に登録している医師の多くは地元の開業医のため、柔軟に対応してくれないケースもあります。
また産業医紹介を行っていない医師会もあるので確認が必要です。さらに、医師会を通して産業医と契約できても、開業医の報酬がベースになるため、コストが高くなることもあります。

50人未満の事業所なら地域産業保健センターへ

常時働く従業員が50人未満の事業所は、産業医を選任する必要がありません。しかし、従業員が安全に安心して働ける職場環境を提供するのは事業者の義務です。
通常、産業医と契約していなくても、産業医が必要になるケースも出てきます。そのような場合、地域産業保険センターを利用するといいでしょう。
地域産業保健センターは、全国各地にあり、無料で産業保険のサービスを提供しています。健康診断の結果の相談や、保健指導、面接などを依頼できます。
産業保健サービスを利用する場合、あらかじめ登録が必要です。産業医選任ではないので、毎回違う医師が担当する場合もあります。
また、対応してくれるまでに時間を要する場合もあります。

産業医紹介会社や派遣サービスがおすすめの理由

産業医紹介会社や派遣サービスがおすすめの理由
産業医は2週間以内にすみやかに選任しなければいけません。従業員数によっては複数の産業医を選任しなければいけない場合や、専属産業医を探さなければいけない場合もあります。
紹介会社や派遣サービスは産業医の資格を持つ医師が多く登録しているため、自分の事業所に適した人材を選べます。

多くの登録医師の中から選べる

紹介会社や派遣サービスの場合、産業医が多く登録しているので事業所ごとのニーズにあった産業医を派遣してくれます。
すべての支社の産業医を一括で依頼したり、メンタルケアに力を入れたい事業所なら精神科や心療内科が専門の産業医を探したりできます。従業員50人未満の事業所に対応してくれるところもあります。
産業医派遣会社のコーディネーターが医師の専門分野や勤務形態などを把握しているので、事業所に必要な最適な産業医を選んでマッチングしてくれます。
事業者と産業医が連携して業務に当たれるよう、コミュニケーション面のサポートも行ってくれます。

選任前に面接ができる

産業医派遣会社や紹介サービス会社によっては、選任前に書類選考と面接を行う場合があります。
医師の経歴や専門分野などを書類で事前に確認でき、適任と思える医師を2〜3名選んで直接面接で話をしてから選任できます。
現在の産業医が退任したり、欠員が出た場合でもすぐに次の産業医を紹介してくれます。

選任後のサポートがある

産業医派遣会社や紹介サービス会社は、産業医を紹介後のサポートにも力を入れているところが多くあります。
産業医選任後に所轄の労働基準監督署に提出する書類作成のサポートをはじめ、産業医が行う業務に関するさまざまな調整やフォローをしてくれます。
衛生委員会の設置や産業医が毎月行う職場巡視の日程調整や、ストレスチェックの調査票の準備など事業所と医師のスケジュールの調整などを行います。
また、定期的に事業者や管理者の希望や疑問を聞き、職場の環境改善や従業員の健康管理などがスムーズにいくようアドバイスをくれます。

料金が明確

産業医の報酬は依頼する医師によって異なるうえに、地域や業務内容でも変わります。産業医派遣や紹介サービスは、産業医を選任した場合の明確な料金プランが設定されています。
選任する前に嘱託産業医または専属産業医を依頼した場合のひと月の医師の報酬がはっきり分かるので、コスト管理がしやすいでしょう。
事業所の予算に合わせて産業医を選んだり、勤務日数を選ぶこともできます。
直接紹介してもらった医師と契約した場合、「ストレスチェックを断られた」「指定した勤務日なのに来てくれなかった」といったトラブルが発生する可能性もあります。
産業医派遣や紹介サービス会社を通せば、万が一トラブルがあってもコーディネーターが対応してくれます。産業医を変えたい相談もでき、すぐ次の産業医を紹介してくれるでしょう。

まとめ


産業医は従業員が50人以上になったら2週間以内に選任しなければいけません。産業医は健康診断やストレスチェックの結果分析、職場巡視、従業員との面接など、従業員の健康管理や職場の衛生・安全管理を行う重要な役割を担っています。
事業所に最適な産業医を限られた時間で探すなら、産業医派遣会社や紹介サービス会社を利用しましょう。多くの登録医師の中から最適な産業医を紹介してくれ、選任後もしっかりサポートしてくれます。
総合的に満足できる産業医を選べるでしょう。

鈴木 健太
監修者
鈴木 健太(すずき けんた)
代表取締役/医師・産業医

1989年、東京都国立市出身。2009年、筑波大学医学部へ入学。
在学中にKinesiology, Arizona State Universityへ留学し、医学・経済学・人文学等を学ぶ。
卒後は国立国際医療研究センターで勤務医として働く。
予防医療の重要性に気づき、帝京大学公衆衛生大学院で健康経営を研究しつつ、産業医として多くの企業を担当する。