メンタルヘルス・ストレスチェック

ストレスチェックの高ストレス者とは?判定基準や企業の対応について解説

日付
更新日:2023.02.27

ストレスチェック実施後、高ストレス者に該当する社員が生じた場合、どう対応すれば良いのかお悩みの担当者もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、ストレスチェックの高ストレス者について、どんな基準で該当し、どのような対応をすれば良いのか、高ストレス者自身の気持ちやメンタルの状態を考えながら、最善の対応が取れるように解説します。

高ストレス判定者を増やしたくない方は一度産業医紹介のDr.健康経営にご相談下さい

そもそも高ストレス者って何?

そもそも高ストレス者って何?
高ストレス者とは、ストレスチェックの結果、一定の数値以上にストレスが高い状態だった人のことを言います。具体的な判断基準と概要を正しく知ることで、高ストレス者への理解を深めましょう。

高ストレス者の判定基準は?

一般的なストレスチェックでは、「職業性ストレス簡易調査票(57項目)」が使用されており、

①仕事のストレス要因(17項目)
②心身のストレス反応(29項目)
③周囲のサポート(9項目)
の3つの領域について問われます。

このとき、②の合計点数が77点以上である人、もしくは、②の点数が63点以上で、①と③の合計点数が76点以上の人が高ストレス者に該当されます。
つまり高ストレス者とは、ストレスの原因や体、心の反応に対して一定程度の自覚症状があり、周囲のサポート状況が良くない人です。
また、数値の評価に加えて、補足的に実施者、もしくは実施者が指名する産業医や産業カウンセラーなど専門家による面接指導を行う方法もあります。
その場合は面接指導の結果を踏まえ、最終的に実施者が、高ストレス者なのかそうでないのかを判断します。
また、面接指導の結果、早急な対応が必要な場合、すぐに産業医や心療内科などにつないでください。

ストレスによる不調を改善する専門の産業医を紹介!産業医紹介サービス「産業医コンシェルジュ」のご案内はこちら

高ストレス者の判断基準は変えられる?

厚生労働省では集団の上位10%を高ストレス者と判定することを標準として判定基準を決定しています。
よって、10%を基準にし、超えた場合は高ストレス者が多い、超えなかった場合は高ストレス者の割合が少ないと判断できます。
この判断基準はそれぞれの事業場の状況により変更できます。ただし、その場合は衛生委員会で協議し決定する必要があります。
どのくらいの基準にしたら何%になるかなど、専門的な知識も必要になる上に、実施毎に基準を変えると経年比較が出来なくなります。
変更する場合は産業医や専門家に現在の状況を伝え、しっかりと話し合ってから決定しましょう。

高ストレス者は面接指導を受けなければならない?

高ストレス者に該当した者が、会社に面接指導を申し出た場合、事業者は産業医などによる面接指導を実施しなければなりません。
この面接指導の結果で、必要に応じて就業上の措置を講じる必要があります。
申し出ない場合は、面接指導は実施しません。しかし、もしストレスの原因が職場環境にある場合、何も措置を取らないと、メンタルヘルス不調を引き起こしてしまう可能性もあります。
担当者は高ストレス者が面接指導を申し出るよう勧奨し、また面接指導を申し出やすいような環境づくりを作る努力をしなければ、折角のストレスチェックも成果のないもので終わってしまいます。
担当者や上司によるこまめな面接指導の実施や社内外相談窓口の設置などを積極的に推進し、普段からコミュニケーションを取りやすい雰囲気を作ることが、メンタルヘルス対策における環境づくりには必要不可欠です。

高ストレス者への対応はどうすれば良い?

高ストレス者への対応はどうすれば良い?
高ストレス者が面接指導を受けることが、メンタルヘルス不調を未然に防止し、また職場環境改善にも繋がります。
まずは、ストレスチェック実施前に、このメリットや概念をしっかりと伝えなければなりません。
しかし、メリットを伝えたにも関わらず、面接指導を申し出ない場合もあります。そのような場合の対応方法やアフターフォローの方法、重要性について説明します。

面接指導を受けるメリットをしっかり伝える

面接指導の中で勤務状況や職場環境について伝えることで、普段の状況が見えてきます。
業務量や業務内容は本人に適当か、上司や同僚とのコミュニケーションはどうかなど、ストレス要因がどこにあるのか確認できます。
本人が自覚していない要因も見つけられることもあります。ストレス要因が明らかになれば、業務量の低減や異動の措置でストレスを減らす対策が取れます。
また、一緒に働く人の状況もわかります。本人だけでなく、上司や同僚という周囲の人と面接指導を実施することで問題が解決することもあります。
面接指導では、日々のセルフケアについても専門家に相談できます。自覚症状があるにも関わらず、心療内科に行くのをためらっている人には良いきっかけになります。
面接指導の受診には多くのメリットがあります。メリットや概念を正しく伝えることが、メンタルヘルス不調を未然に防ぎ、職場環境の改善につながります。

面接指導を申し出ない場合の対応

高ストレス者だと通知されても、面接指導を申し出ない人は実際に多くいらっしゃいます。
高ストレス者だということを会社に知られることで、不当な措置を受けるかもしれない、昇進のためには不利益となるだろう、と考える方もいます。
また、高ストレス者に判定されても、自分はメンタルヘルス不調だという自覚症状がないため、面接指導を受ける必要がないと考えていることも理由としてあげられます。
どちらも、ストレスチェックの概要や目的を正しく理解していないために生じている可能性があります。
不当な配置転換や職位の変更など、労働関係法令に違反するような措置は法律で禁じられていること周知していく必要があるでしょう。
情報はしっかりと守られていること、メンタルヘルス不調を未然に防止する対策であることを担当者がしっかりと伝え、面接指導を申し出やすい環境を作ることがポイントとなります。

それでも面接指導を拒否する場合

ストレスチェックの概要や目的などをしっかりと説明しても面接指導を受けたくない人には、心療内科への受診やカウンセラーによるカウンセリングを勧め、セルフケアにつなげるように伝えることが大切です。
「本人の気づきと早期の対応」がポイントです。風邪のような体に起こる病気と同じであるという概念を伝えるとわかりやすいかもしれません。
セルフケアは日頃からこまめに伝えることが大切です。
社内イントラや社内報などを活用して、睡眠・食事・規則正しい生活・適度な運動など、普段の生活を改めることや、ストレス発散方法など、基本的なことを普段から地道に伝えることで、セルフケアは浸透していきます。
また、社内の相談窓口を設置している事業場は、日頃から社内窓口の担当者が社員に向けてしっかりコミュニケーションを取るようにすることで、担当者と社員の距離を縮め、小さなことでも相談できるような関係を構築しておきましょう。

アフターフォロー

面接指導を実施して、さぁこれで終わり、ではありません。担当者は、定期的に面接指導を実施し、経過を確認する必要があります。
ここでも、ストレスチェックの担当者だけでなく、社内窓口の担当者や産業医、高ストレス者本人の上司や同僚などとしっかりコミュニケーションを取ることで、ストレス改善や職場環境改善につなげていきましょう。
部署内で職場環境改善に向けて話し合いの場を持つ方法もとても効果的です。
短期ではなかなか解決出来ない問題がある場合は、中長期に渡り、気長に少しずつ改善を進めていきましょう。

高ストレス者の医師面談も、オンライン対応可能!「ストレポ」のご案内はこちら

まとめ:高ストレス判定は合図としてとらえ無視してはいけない!

高ストレス判定は合図としてとらえ無視してはいけない!
高ストレス者に判定された従業員がいた場合、原則的には医師の面接指導を勧奨し、メンタル不調を未然に防ぐことが対応として求められます。
しかし、高ストレス者と判定された方の中には、結果を会社に知られたくないと強く思う方もいます。そのような方には外部の心療内科やカウンセラーの利用が有効です。
高ストレス者に判定されたことは悪いことではなく、メンタルヘルス不調を未然に防止できる合図としてとらえ、無視することなく本人も担当者も積極的に関与することが望まれます。
ストレスチェックは社員のストレス状態の改善とより良い職場環境を実現することで、仕事の業務効率や生産性を上げる取り組みです。
会社全体として積極的に活用し、経営の一環として取り組み効果的なものとするためにも、制度の趣旨を理解し、全員が主体的に関わることが必要とされます。

高ストレス者への対応、今後の社内体制強化をお考えの方は、Dr.健康経営の産業医サービス「産業医コンシェルジュ」をご覧ください。
必要なサービスをプラン毎に分けている為、ニーズに併せてご導入いただけます。お気軽にお問い合わせください。

そのお悩み、Dr.健康経営に相談してみませんか?

「従業員数が初めて50名を超えるが、なにをしたらいいかわからない…」
「ストレスチェックを初めて実施するので不安…」

そんなお悩みを抱える労務担当者の方はいませんか?
Dr.健康経営では、産業医紹介サービスを中心にご状況に合わせた健康経営サポートを行っております。
些細なことでもぜひお気軽にご相談ください。

鈴木 健太
監修者
鈴木 健太
医師/産業医

2016年筑波大学医学部卒業。
在学中にKinesiology, Arizona State University留学。
国立国際医療研究センターでの勤務と同時に、産業医として多くの企業を担当。
2019年、産業医サービスを事業展開する「株式会社Dr.健康経営」を設立、取締役。

関連記事