メンタルヘルス・ストレスチェック
ストレスチェック実施後の報告書提出とは?作成方法や提出先・提出時期を解説
ストレスチェックの実施に関しては罰則はありませんが、ストレスチェック実施後、労働基準監督署に報告書を提出しないと50万円以下の罰金を科せられることがあります。
そのようなことにならないためにも、きちんと提出しましょう。ストレスチェックの報告書について解説します。
目次
ストレスチェック後の報告書とは?
ストレスチェックは実施して終了ではありません。ストレスチェックの実施後は、労働基準監督署への報告が義務とされています。
ストレスチェック実施後の報告を怠った場合には、50万円以下の罰金が科せられることもあり、きちんと報告しなければいけません。
報告書の提出先について
ストレスチェックの報告は、事業所を管轄する労働基準監督署に提出します。企業内で複数の事業所があるようなときは、各事業所ごとに報告書を提出します。
事業所で管轄する労働基準監督署が異なることもあるので、提出先に注意が必要です。
提出方法は、労働基準監督署に持参、もしくは郵送となります。インターネットから『電子政府の総合窓口e-Gov』からの提出が可能な場合もありますが、登録など、事前の準備が必要です。
ストレスチェックの実施が義務となる事業所では、ストレスチェックの報告も義務となります。報告をしなかった場合には、50万円以下の罰金となることもあるので、忘れずに報告しましょう。
ストレスチェックの実施義務がある事業所は、常に50人以上の労働者がいる事業所となっており、ストレスチェックの結果報告の義務があるのも、同じ条件となります。
50人未満の事業所では、ストレスチェック自体が義務となっていないため、ストレスチェックの結果報告も義務ではありません。
いつまでに提出すればいいのか
罰金が科せられることがあるとなると、いつまでに提出すればいいのかも気になりますよね。ストレスチェックの報告は、いつまでにという明確な決まりはありません。
しかし、あまりにも提出が遅いと、報告していないとみなされてしまうかもしれないので、早めの提出を心掛けましょう。
ストレスチェック自体が1年ごとにおこなわれるものなので、ストレスチェックの報告も1年ごとにおこなわれるはずです。
前回の報告から1年後には報告ができるように調整しましょう。これから新規でストレスチェックをおこなっていく事業所の場合は、ストレスチェックの時期と報告する時期を決めておき、周期的におこなえるようにしましょう。
個人のストレスチェックだけでなく、集団分析をおこなっている場合にはその報告も必要となります。
ストレスチェックの集団分析は義務ではなく推奨とされていますが、実施した場合には結果の報告が必要なので、集団分析の結果についても忘れずに報告するようにしましょう。
ストレスチェックの報告書の書式と記載する内容
ストレスチェックの報告書ですが、どのような書式にしたらいいのか、どのような内容を記載したらいいのかという疑問を見ていきましょう。ストレスチェックの質問票は特定の指定はなく、必要な項目が入っていればOKでしたが、報告書の場合はどうなのでしょうか。
報告書の書式
ストレスチェックの報告書は、決まった様式が用意されており、それに従い提出することになります。ストレスチェックの報告書には正式名称があります。
「心理的な負担の程度を把握するための検査結果等報告書」が正式名称となり、厚生労働省のホームページにテンプレートが用意されているので、そこからダウンロードして使用します。
労働基準監督署ではストレスチェックの報告書を機械で読み取りするため、必ずこの様式でなければいけません。ストレスチェックの質問票のときとは違い、様式が決められているので注意が必要です。
機械での読み取りをおこなうため、使用する用紙についても指定があります。A4サイズの用紙で、白色度80%以上の用紙を使います。
このことは厚生労働省のホームページにも記載されているので、テンプレートをダウンロードするときに確認しましょう。
書式が決まっているので、あとはそれに従って記入していきます。機械での読み取りになるため、枠からはみ出さないように、黒のボールペンで記載してください。
記載項目
テンプレートに添って記載していけば大丈夫ですが、記載内容について解説していきたいと思います。
●労働保険番号
事業所の労働保険番号を記載します。番号がわからない場合には、厚生労働省の検索サイトで調べることができます。労働保険適用事業場システムで調べましょう。
●検査実施年月
ストレスチェックをおこなった年月を記載します。月まで記入するようになっていますが、人数の多い事業所では複数の月にまたがって実施していることもあるでしょう。
その場合、すべての結果が出てからの報告になりますが、どの月を書いたらいいのか迷うと思います。複数月にまたがっている場合は、報告する日に一番近い実施月を記載します。
●事業の種類や名称
名称は正式名称で記載します。事業の種類は、日本標準産業分類の中分類に沿って記載します。わからない場合は、総務省の検索サイトで検索することができます。
●検査を実施した者
ストレスチェックの実施者について、番号ごとに内容がわかれているので、当てはまる番号を選びます。当てはまる項目が2つある場合は、代表するものを選びます。
●在籍の労働数
労働者の人数を記載しますが、ここで記入する人数は、提出するときの人数ではなく、検査実施月の末日時点での人数を記載します。
●検査を受けた人数
今回報告するストレスチェックを受けた人数を報告します。
●面接指導を受けた人数
ストレスが高いと判定された人は医師との面接が勧められています。その中で、面接を申し出て実際に医師との面接をおこなった人の人数です。
●集団ごとの分析の実施の有無
ストレスチェックを実施したときに、集団分析をおこなっているかどうかを記載します。
●産業医の氏名
産業医の氏名を記載しますが、ここで注意が必要なのは、事業所と契約している産業医の氏名を記載しなければいけないという点です。
産業医がメンタルヘルスの専門ではないなどの理由で、ストレスチェックに関しては産業医以外に依頼している場合もあります。
そのような場合でも、契約している産業医の氏名を記載する必要があります。
ストレスチェックを外部委託している場合の報告書提出
ストレスチェックは企業の総務部などでおこなうことが多いのですが、個人情報の保護のために担当できる人が限られることもあり、通常の業務の負担になることもあります。
ストレスチェックの委託を請け負っている業者もあり、外部にストレスチェックを依頼している場合もあるかと思います。
このような場合でも、契約している産業医の氏名を記載しますが、報告書の作成についてはどうなるのでしょうか。
ストレスチェックを外部委託する場合でも、すべての業務を委託できるわけではなく、企業でやらなければならない内容もあります。
報告書の提出も、委託できない業務のひとつです。報告書は外部委託で作製してもらうことはできません。
そのほか、ストレスチェックをおこなうことの告知なども自社でおこなう必要があります。外部委託できる内容としては、ストレスチェックを実施すること、結果を労働者に通達する、集団分析のデータの集計などになります。
ストレスチェックを外部委託した場合でも、報告書の作成、提出は自社でおこなうことになるので、報告漏れのないようにしましょう。
ストレスチェックの実施、報告までが一連の流れとなりますが、そのあとの高ストレスの労働者に対するフォロー、職場の環境改善をおこなうことも重要なことです。
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