産業医の役割・選任

産業医に必要なソーシャルスキルを解説!コミュニケーションのコツやビジネスメールの作成方法も紹介

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更新日:2023.02.24

医師が苦手な分野!?ソーシャルスキル

産業医業務では、一人の社会人として従業員の皆さんや企業の担当者と接する必要があります。企業で働く従業員や、産業医と主に接する人事や経営者の方々は、長期に渡って社会の中でソーシャルスキルを磨いてきた人ばかりです。
病院勤務の中で、礼儀作法や適切なコミュニケーションをある程度身に着けていても、一般社会で要求されるソーシャルスキルはより高度なものとなります。

ここでは、産業医業務でベースとなる、身だしなみ、コミュニケーションの基本、名刺交換、ビジネスメールの書き方などについてレクチャーしていきます。

身だしなみは意外と重要!

産業医は、企業に訪問させていただく身であり、報酬をもらってサービスを提供する側です。
そのため、もし企業の従業員がラフな格好をしていたとしても、産業医としては礼儀を守った服装と身だしなみが求められます。初回の訪問を除き、毎回完璧なスーツ姿である必要はありませんが、まだ企業担当者との信頼関係が構築されていないうちは、身だしなみを整え真摯な姿勢を示す必要があります。訪問する企業の雰囲気や季節に合わせて、TPOに合わせた適切な服装を心がけましょう。
ここでは、男性と女性に分けて徹底レクチャーしていきます。

男性の身だしなみの基本

男性の身だしなみの基本

引用 「入社1年目のビジネスマナーの教科書」

【スーツ・ジャケットについて】

初回訪問では、必ず上下ビジネススーツ姿で訪問しましょう。ある程度高価(一般的には3~5万程度)なビジネススーツを着用してください。学生時代のリクルートスーツしか所持していない場合には、この機会に購入しましょう。複数着(訪問企業が多い場合は3着以上)所持するのがお勧めです。清潔感を保つために、定期的なクリーニング(夏場は2週間に1回程度、それ以外は1シーズンに2回程度)を徹底してください。ネクタイも落ち着いた色がベストです。
何度か訪問した後、スーツの着用が明らかに不要である場合や、担当者から「ラフな格好でいいですよ」と申し出があった場合には、ビジネスカジュアルスタイルで訪問するのもOKですが、できればジャケットは羽織っていきましょう。

【シャツについて】

スーツやジャケットの下には必ず清潔な長袖の白シャツ(それか白に近い色のシャツ)を着用するようにしてください。ボタンダウンシャツはカジュアルな印象となりますので注意してください。また、ビジネスマナー的にはスーツの下は長袖のワイシャツを着るのが正式なスタイルですので、半袖シャツを着ないようにしましょう。もし、夏場に訪問先から「クールビズスタイルでお越しください」と言われた時にのみ半袖シャツでもOKです。シャツは毎日交換することが望まれるため、3、4着以上は用意しておいたほうがいいでしょう。

【髪型・ひげについて】

髪型は清潔感を意識し、なるべく短髪を心がけましょう。
ひげは毎日剃り、無精ひげがないようにしましょう。ファッションとしてのひげも不潔なイメージにならないよう毎日整えます。
また、香りの強い香水やデオドラントはつけないようにしましょう。

【カバン・靴・時計について】

A4サイズの書類が入る、黒系統の革製の大きめのカバン(特に底面が広く、床に綺麗に立つカバン)が原則です。筆記用具や小物をすぐ取り出せるよう内部が仕切りで分かれているタイプがお勧めです。
靴も、黒またはダークブラウンなど、カバンの色に合わせた落ち着いた色の革靴を履き、訪問前には必ず磨きます。靴下は意外と見られているため、必ず足首の隠れる落ち着いた色のものを合せましょう。
また、なるべく腕時計を着用し、時間の確認はスマホではなく腕時計でするようにします。腕時計はあまり目立つような高級ブランドのものは避けたほうがよいでしょう。

【名刺入れ・財布・ハンカチについて】

名刺入れは必ず革製あるいはしっかりしたものを用意します。
財布はレシートなどでパンパンにならないように気を付けましょう。
また、ハンカチは必ず持参するようにしてください。

女性の身だしなみの基本

女性の身だしなみの基本
※引用 「入社1年目のビジネスマナーの教科書」

【スーツ・コートについて】

初回の訪問では、女性も必ず上下スーツ姿で訪問しましょう。女性も、見栄えのいいビジネススーツを複数着所持し、クリーニングは定期的に行いましょう。スーツの色は、黒、紺、ベージュを基本とし、スカート丈は「座った時に膝が隠れる長さ」を基準に選びます。ボトムスがパンツの場合にはお尻のラインが隠れるやや長めのジャケットを、スカートの時にはジャケットの丈を短くするとスマートに見えます。コートは派手でないものを選び、黒か茶を基本としてください。春はベージュなどの薄い色を選んだり、冬は丈の長い物にするなど季節感が出せるとベストです。

【インナーについて】

基本的に、白無地(もしくは薄い色)のシャツ・ブラウス・カットソーを合せましょう。初回訪問はなるべくシャツで行くのがよいでしょう。ボディーラインが出るものや、バストやヒップが強調されるものは避けましょう。あまり可愛らしいデザインのものも、信頼感が保たれないため産業医としては避けたほうがベターです。インナーも汚れなどを意識し、清潔感を保ちましょう。

【ヘアスタイル・ネイル・メイクについて】

清潔感のあるヘアスタイルと、ナチュラルメイクを心がけます。髪の毛がパサついていると不潔に見えるため日頃からのヘアケアを心がけ、髪が長い場合は必ず耳を出してまとめるようにしましょう。お辞儀をする際に髪の毛が顔にかかるスタイルはNGです。髪の色は黒を基本とし、明るい茶色(ヘアカラー協会におけるレベル7以上)は避けましょう。ネイルも派手な色は避け、常にきれいに整えておきます。香りの強い香水は、産業医への不信感にも繋がりかねないので避けましょう。

【靴について】

産業医訪問では、移動時や職場巡視などで歩くことが見込まれるので、まずは自身の足に合った歩きやすい靴を選ぶことを心がけましょう。黒のプレーンパンプスまたはフラットパンプスを基本とし、素足では履かず必ずストッキングを履くようにしてください。また、靴は普段から手入れをし、汚れていないか常にチェックするようにしましょう。
製造現場等に行く可能性がある場合は、なるべくヒールの高くないものを履いていくようにしましょう。安全靴が必要な場合もありますので、製造現場等に行く可能性がある企業については事前に靴について尋ねておくとよいでしょう。

相手と信頼を築くコミュニケーションのポイントは?

【気を付けるべきはノンバーバルコミュニケーション】

コミュニケーションには、言葉による〝バーバルコミュニケーション〟だけでなく、表情や態度といった〝ノンバーバルコミュニケーション〟も大切です。
いくら丁寧な言葉を使っていても、表情が固かったり態度が悪ければ与えるイメージは悪くなってしまいます。一般的に、人は耳で聞く言葉よりも、目で見る態度を信じる傾向があり、特に医師の場合、無意識のうちに表情や態度が高圧的になっていないか気をつけましょう。いくら相手を思いやる気持ちがあっても、うまく表情や態度に出せずに伝わっていない場合も多いので注意しましょう。

【笑顔こそが信頼感を生む】

笑顔は知性そのものです。病院勤務ではしかめ面で威厳を保つことができても、産業医として企業に訪問する場合、しかめ面をしていては世間知らずという印象を与えてしまいます。社会人のたしなみとして常に自然な笑顔を意識しましょう。常に笑顔でいるためには感情を上手にコントロールできるだけの精神力が求められるので、笑顔でいることは相手に精神的な安定を感じさせ、好感度や信頼感につながります。特に、その後の印象を左右する挨拶時や話し始めは笑顔を心がけましょう。
また、産業医面談の際は、丁寧に説明してくれているときには真剣な表情を、悲しい体験を語っているときには悲しい表情など、相手の気持ちに沿って適切な表情をはっきり表現することが大切です。TPOに合わせた豊かな表情こそが社会生活で一番求められます。

【挨拶は社会人の基本!】

挨拶は世界共通に存在します。それは挨拶こそがコミュニケーションの基本となり、良好な関係を築くための重要なツールとなるからです。笑顔で挨拶することで、頻繁に会うわけではない相手との関係を良好に保つことができます。
まず、挨拶は必ず自分からすることを心がけましょう。相手よりも先に挨拶をする事を心がけるだけで与える印象がぐっと上がります。訪問先ではすれ違う全員がお客様であり、人事や経営者の方はもちろん、産業医面談や職場巡視で会う従業員にも自ら積極的に挨拶するようにしましょう。
相手に体を向け目線を合わせ、相手の名前を呼び、最後まではっきり言い切ることが大切です。挨拶に続く言葉を添えられればベストです。
また、お辞儀にも、目礼・会釈・普通礼・丁寧礼・拝礼の5種類があり、適宜使い分けます。特に、つま先の角度とお辞儀の角度、静止時間、相手の目を見ることを意識しましょう。お辞儀には男性・女性それぞれに作法があるので、以下に性別ごとの作法を紹介します。

好感を持たれるお辞儀
※引用 「入社1年目のビジネスマナーの教科書」

表情や話し方、挨拶やお辞儀がしっかりできることこそが社会人として敬われるため、ぜひ実践していきましょう。

【好感度アップの話し方のコツ6つ】

話し方や会話の内容はそのままその人の印象につながるため、気づかないところで話し方や会話で損をしているかもしれません。ちょっとしたコツで好感を持たれる会話になるので、以下の6つのことを心がけてみましょう。

① 最後まできちんと言葉を言い切る。(悪い例:ありがとうございましたぁ~)
丁寧語を基本としながら、必要以上に敬語を使いすぎない。ただし、話の最後は敬語でしめる。
③ 巡視等で何かを指摘するときは、悪いことを先に指摘し、良いことを後に指摘する「あとよし言葉」を使う。
「すみません」より「ありがとう」を使う。(大抵の「すみません」は「ありがとう」に置き換えることができます)
⑤ 産業医は、従業員や担当者の「先生」ではないので、「お教えします」ではなく「ご説明いたします」を使う。
⑥ 意見が対立した時は、「確かにそうだと思います」と一度受け入れてから「ただ…」と、自分の意見を伝える。

【聞き方・質問のコツ4つ】

相手の要望を正確に把握しそれに応えていくことは、社会人として求められる能力です。正しい「聞く力」とは、相手の思いや考えを正確に伝えてもらうため「相手に気持ちよく話してもらえる力」でもあります。聞き上手になるためには、視線、うなずき・あいづち、表情と態度、最後まで聞く、という4つのコツがあります。

① 視線
話すときも聞くときも相手の目を見ることは基本ですが、過度にせず、ときどき鼻のあたりに目線を外しながら会話を続けるとよいでしょう。

② うなずき、あいづち
会話を聞くときには「うなずき」を多用し、少し大げさな「あいづち」をテンポよく入れることで相手の話を引き出すことができます。

③ 表情と態度
話を真剣に聞いているとなりがちな怖い顔や表情の乏しさは相手を不安にさせてしまいます。前述した通り、豊かな表情があってこそ相手は安心して話せるので、話を聞くときには表情に変化をつけてみましょう。

④ 最後まで聞く
要求することを的確に話していない場合も、基本的には相手の話を最後まで遮らないようにしましょう。発言がかぶらないよう、相手の話が終わってから3秒程度待ってから話を返すようにしましょう。職場巡視や産業医面談において、質問する力はとても大切です。質問は、話題のきっかけづくりになったり、自分の理解を確認することもできますので、知りたいことや分からないことがあったときだけ質問をするのではなく、相手に気持ちよく話してもらい、話を広げて深めるために「質問をする」というコミュニケーションの方法を使いましょう。

【携帯電話のマナー】

訪問時間外にも、訪問先から報告や相談の連絡が入ったり、逆にこちらから電話をしなくてはならない場合もあります。相手から電話がかかってくる場合には、通話は静かなところで行うようにし、騒音の激しい場所で電話を受けたら一度場所を移動してかけ直すのがマナーです。
自分から電話をかける際には、必ず最初に名前を名乗った後、「今お話ししてもよいですか?」と相手の都合を確認し、要件は簡潔に伝えましょう。

名刺は必須!

産業医になったら必ず自分の名刺が必要になります。名刺を自身で用意する場合には、名前、勤務先の病院名や肩書、勤務先の住所や電話番号、Eメールアドレスなどを記載します。
名刺入れは、前述したようにしっかりとしたものを使い、上着のポケットやカバンに入れて持ち運びます。名刺を財布などに入れたり、名刺入れをズボンに入れたりするのはマナー違反になるのでやめましょう。
※名刺がない場合、また複数の訪問先を受け持つ場合は、Dr.健康経営で名刺をお作りします。

【名刺交換のポイント5つ】

産業医として初回訪問をする際には、必ず人事担当者と名刺交換を行います。名刺交換の際には以下の5つの点に気を付けてください。

① 名刺交換は必ず立って行う
名刺交換は立って行い、決して座ったままで行わないようにしましょう。双方が着席している状態で、相手から座ったまま名刺を差し出されても、中腰になって名刺を受け取り、自分の名刺を渡すようにします。また、なるべくテーブル越しに名刺を交換するのは避け、直接向かい合って交換しましょう。

② 自己紹介をしながら両手で渡し、両手で受け取る
「産業医の●●です」と、挨拶をしながら自分の名刺を差し出し、相手の名刺は「頂戴します」「頂きます」と必ず一言添えて受け取ります。相手の目を見ながら笑顔でできればベストです。

③ 訪問者が先に差し出す、目上の人から順番に名刺を渡す
名刺は「訪問者・目下の者」あるいは「お金をもらう側」が先に差し出すのが基本なので、産業医は必ず先に渡します。また、相手の名刺よりも下側に自分の名刺が来るように差し出すのがマナーです。また、名刺を渡す順番としては、(無理のない範囲で)役職が上の人から渡すことが鉄則です。

④ 受け取り後、すぐにしまわない
名刺を受け取ったら、少し名刺を胸の高さより上で目視し、できれば「●●様ですね」と相手の名前を確認してから、名刺入れの上またはテーブルの上に置くのがマナーです。複数の人から同時にもらった場合には、一番役職が上の人の名刺を名刺入れの上に置きましょう。テーブルに並んでいる順番に名刺を並べると、名前を覚える気持ちが伝わります。

⑤ その場で名刺に書き込まない
もし相手の情報を名刺に書き込みたい場合、その場では書き込むのはNG行為です。相手がいなくなってから名刺の裏側に書き込むようにしましょう。

失礼にならないビジネスメールの書き方とは?

産業医業務では、訪問先の企業担当者とメールのやりとりが発生します。ビジネスメールにはいくつかのマナーがあり、また常にセキュリティの問題が付きまといます。これらをしっかり理解した上で、メールのやりとりを行っていきましょう。

【ビジネスメールの基本ルール6つ】

① フリーメールは使わない
無料で取得できるフリーメールをビジネスの現場で用いることはあまり好ましくありません。できるかぎり、大学や病院で取得しているメールアドレスもしくはUMIN(大学病院医療情報ネットワーク)のアドレスを使用するようにし、所持していない場合にはUMINサイトでアドレスを新たに取得しましょう。

② 件名は具体的に
企業の方々は一日に何十通もメールを受け取っている場合があります。メール本文を見なくても、差出人と要件がわかる件名にすることで、相手側の対応漏れを防ぐことができます。

③ 1行目に、相手の社名と名前を書く
「●●株式会社 〇〇部 〇〇様」など、社名+部署+フルネームを基本とします。CCで送る方がいる場合には(CC:〇〇様)などと沿えるようにしましょう。フルネームがわからない場合には苗字のみでも可能です。

④ 文頭にはまず一言と自分の名前を添える
「いつもお世話になっております、産業医の●●です。」などと一言添えてから、本文を書くようにしてください。メールの署名設定機能で登録しておくと便利です。

⑤ 用件は簡潔に、改行をうまく使う
できれば1通のメールに書く用件は1つにとどめます。複数の用件を伝える必要があるときには、改行して1行ずつ開けたり、番号(①②③など)や印(■◆●など)をつける等、全体として見やすいメールを心がけましょう。

⑥ 署名を使う
メール文の最後には、必ず署名を入れます。自身の名前と共に「●● ●● 拝」という言葉を文末に添えるのも丁寧です。署名設定機能で登録をしておくと便利です。

署名の例
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
株式会社Dr.健康経営 産業医 ●● ●●
Mail : 自身のメールアドレスを記載
Tel : 自身の電話番号を記載
HP : http://dr-hpm.co.Jp
〒100-0001 自身の住所を記載
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

⑦ 返事は迅速に!
メールの送信者はメールが届いたか確認できないので、メールの返信はできるかぎり早く送ることが基本です。どうしても返事が遅れてしまう場合には「少し取り込んでおり、●日までに改めて正式なご返信をさせていただきます。」などと、略式の返信をするようにしましょう。メールは内容の完璧さよりも迅速さが重視されるので、最低でも翌日には返すようにし、くれぐれも数日遅れたり、忘れたりしないようにしましょう。

【ビジネスメールの例】

▼企業担当者へのご挨拶(顔合わせ後)
件名:
産業医の佐藤太郎です

本文:
株式会社山田物産グループ 人事部 山田花子 様
(CC:弊社鈴木、弊社事務)

お世話になります。
Dr.健康経営、産業医の佐藤太郎です。

先ほどはお忙しい中お時間をいただき、誠にありがとうございました。
4月より御社を担当させていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

①初回の訪問日時について
初回訪問は、5月1日(月)10:00-11:00の予定となっております。
ご変更等ございましたら、ご連絡ください。

②初回訪問時の流れについて
・安全衛生委員会の実施:20〜30分
・職場巡視の実施:10〜15分
・健康診断の判定:15〜20分
を予定しております。
安全衛生委員会にて、初回オリエンテーションを行います。
資料等はこちらで準備いたしますので、予めご準備頂くことはございません。

ご不明な点等ございましたら、お気軽にお聞き下さい。
引き続きよろしくお願いいたします。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
株式会社Dr.健康経営 産業医 佐藤太郎
Mail : 自身のメールアドレスを記載
Tel : 自身の電話番号を記載
HP : https://dr-hpm.co.jp
〒151-0053 東京都渋谷区恵比寿1-32-15-102
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

▼産業医報告書の送付(産業医訪問後)
件名:
本日の産業医報告書です

本文:
株式会社山田物産グループ 人事部 山田花子 様
(CC:弊社鈴木、弊社事務)

いつもお世話になっております。
Dr.健康経営、産業医の佐藤太郎です。

本日はどうもありがとうございました。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

①本日の訪問について
産業医報告書を添付致しました。ご確認ください。

②次回の訪問について
次回6月1日(月)10:00-11:00訪問予定です。
ご変更等ございましたら、ご連絡ください。

③衛生講話について
衛生講話の資料を添付致しました。
ぜひ社内でご共有いただけたらと思います。

④面談記録について
面談記録を、別途山田様宛にお送りいたします。
※個人情報になりますので、取り扱いには十分ご注意ください。

ご不明な点等ございましたら、お気軽にお聞き下さい。
引き続きよろしくお願いいたします。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
株式会社Dr.健康経営 産業医 佐藤太郎
Mail : 自身のメールアドレスを記載
Tel : 自身の電話番号を記載
HP : https://dr-hpm.co.jp
〒151-0053 東京都渋谷区恵比寿1-32-15-102
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【セキュリティについての注意点4つ】

産業医業務では、企業情報や従業員の個人情報が入った文章やファイルを送る機会が多くなります。セキュリティについての基本事項を知り、ファイルの形式や添付方法に留意した上で、くれぐれも送付先を間違えないようにしましょう。以下、注意する点は4つです。

① ワード・エクセルではなく、PDFで送る。法定面談文書には自分の電子印鑑をつける。
個人情報や会社の情報が含まれるワードファイルやエクセルファイルは、そのままで送ると改ざんの可能があることから、必ずPDFに変換して送るようにしましょう。PDFへの変換はワードやエクセルの機能に含まれています。また、長時間労働面談や高ストレス者面談といった法定面談や産業医意見書等、「印」のマークがある書類には電子印鑑が必要です。あらかじめ自身の印鑑をスキャンしてデータ化し、書類にペーストした上でPDF化するようにしましょう。

② ファイルへのパスワードを求められたら、2段階で送付する
ファイルへのパスワードはその有効性が認められていないことから義務付けられてはいませんが、企業によっては添付ファイルにパスワードを求められることがあります。その際は、ネット等でやり方を調べて対応しましょう。
パスワードは、ファイルを添付したメールには記載せず、もう一通別途パスワードのみ記載したメールを送ります。この方法の有効性は疑問視されていますが、現在の日本式のパスワード送付方法の慣習になります。

③ ブラウザ上でメールを使う場合やSNSには二段階認証を用いる
Gmailなどを連携させて自身のメール送受信を行っている場合、携帯電話を用いた二段階認証を使用しましょう。また、LINEやFacebookなどにも二段階認証を用いることが推奨されます。二段階認証を用いることで、アカウントを乗っ取られるなどのトラブルの確率が下がります。

④ LINE等では個人情報を送らない
LINEなどのメッセージアプリでは、セキュリティがメールよりも担保されていない場合が多いので、機密性の高いファイルの送付はできるかぎり避けましょう。

訪問時間厳守は基本!

当たり前のことですが、ビジネスの世界では時間厳守は鉄則です。やむを得ず時間に遅れる場合には必ず早めに事業所に電話を入れ、「申し訳ありませんが、電車が遅れてしまい〇分ほど遅刻してしまいます。」などと簡潔な理由を添えてお詫びを伝えましょう。病院勤務では、急患や急変時の対応があればそちらが優先されますが、企業ではそのような例外はありません。遅刻を繰り返せば信用を失ってしまうので、急な仕事の予定や呼び出しが入らない、確実に空いている日時に訪問日程を設定するようにしましょう。訪問日程の変更も最小限に控え、やむを得ず日程を変更する際にはできるだけ早く連絡をするよう心がけましょう。

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鈴木 健太
監修者
鈴木 健太
医師/産業医

2016年筑波大学医学部卒業。
在学中にKinesiology, Arizona State University留学。
国立国際医療研究センターでの勤務と同時に、産業医として多くの企業を担当。
2019年、産業医サービスを事業展開する「株式会社Dr.健康経営」を設立、取締役。

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