産業保健・健康管理
衛生管理者がおこなう職場巡視のポイント9つを解説【オフィス編】
オフィスの職場巡視のポイントは9つ!
職場巡視は、企業の衛生管理者は週1回以上、産業医は原則毎月1回以上(条件付きで2ヶ月に1回)の実施が義務付けられています。
ほとんどすべての企業において、社内にオフィスが設置されているかと思います。今回は、オフィスの職場巡視において、見るべき9つのポイントを解説していきます。
衛生管理者や職場の統括者などは、1人での職場巡視、または産業医に同行して職場巡視を行うことになるので、チェックしておきましょう。
職場巡視と併せて産業医の選任は必要となります。お悩みの方は、お気軽にDr.健康経営までご相談ください
① オフィスの衛生基準
② 快適職場づくり
③ 情報機器作業(VDT作業)
④ 受動喫煙対策
⑤ シックハウス症候群
⑥ 腰痛予防対策
⑦ 安全・防災対策
⑧ 過重労働・メンタルヘルス対策
⑨ 感染症対策
①オフィスの衛生基準
ほとんどすべての企業にある事務所つまりオフィスの環境については、「事務所衛生基準規則(以下、事務所則)」というルールが定められています。以下、事務所則にもとづいた、オフィスの職場環境の職場巡視のポイントを紹介します。
オフィス環境で特に重要となるのが「温度・湿度・照度」です。職場内で人が長時間滞在する、全ての場所に温湿度計を設置しましょう。照度の測定は専用機器が必要ですが、ない場合は暗すぎず明るすぎない程度に調整することを心掛けましょう。
事務所衛生基準規則(事務所則)の詳細はこちらをご参照ください。
https://anzeninfo.mhlw.go.jp/yougo/yougo70_1.html
●空気環境
1)気積(人がどれだけ密集しているか):10㎥/人以上
2)換気:一酸化炭素:50ppm以下、二酸化炭素:5000ppm以下
3)温度・湿度:室温17℃以上28℃以下、相対湿度40%以上70%以下
4)照度:精密な作業:300ルクス以上、普通の作業:150ルクス以上、粗な作業:70ルクス以上
5)騒音・粉塵 等
●清潔
1)給水、排水
2)ねずみ、昆虫等の防除
3)廃棄物
4)便所・洗面 等
●休養
1)休憩:50人以上または女性30人以上では男女用を区別する事
2)睡眠・仮眠施設
3)椅子の設置 等
●救急
1)救急用具の備え付け、消火器、避難通路等
②快適職場づくり
厚生労働省が定める「事業者が講ずべき快適な職場環境の形成のための措置に関する指針」(快適職場指針)では、以下の視点が重要とされています。主に疲労やストレスを感じることの少ない、働きやすい職場づくりに着目しています。
● 快適な作業環境:空気環境や温熱環境、視環境や音環境など
● 労働作業の改善:作業負担の軽減、作業動作への配慮
● 疲労の回復設備:休憩室・相談室の確保、緑地や運動施設の設置
● 快適な職場環境:洗面所・更衣室の清潔や使いやすさ、食堂や談話室の確保
③情報機器作業(VDT作業)
情報機器作業においては、労働衛生の主な対策である「作業環境管理」「作業管理」「健康管理」という3つの管理(3管理)の視点が重要となります。職場巡視では、以下について確認しましょう。
● 作業管理:作業時間や作業姿勢、作業機器の選定・調整など
● 作業環境管理:照明や採光、グレアの防止、騒音など
● 健康管理:定期健診や職場体操など
④受動喫煙対策
受動喫煙の防止は企業に義務付けられています。企業で定められている全面禁煙あるいは空間分煙の喫煙ルールが適切に守られているかを確認しましょう。空間分煙の場合は、喫煙室の確認や、室外への煙・臭い漏れの有無を確認します。
⑤シックハウス症候群
オフィスを新築・改築したり、あるいは従業員から目や鼻・のどの刺激症状の訴えがある場合には、ホルムアルデヒド濃度の測定を行なってください。また、必要に応じて症状の訴えのある従業員の就労場所を変更しましょう。
⑥腰痛予防対策
腰痛は休業4日以上の職業性疾病の6割を占めています。③と同じように、3管理の視点が重要となります。
⑦安全・防災対策
オフィスの安全対策、耐震対策、消防対策が十分に行われているかを確認します。オフィス内の整理整頓、通路の確保、家具の固定など、〝災害が起こったときに危険ではないか〟という視点で確認しましょう。消火器やAEDの設置と設置場所の確認も忘れずに行いましょう。
⑧過重労働対策・メンタル対策
長時間労働の発生する職場や高ストレス者の多い職場を確認し、職場の配置や上司から部下への指示の出し方、業務中のコミュニケーションを確認します。これらの情報を、労働者との面談や健康管理、職場環境改善に役立てていきましょう
⑨感染症対策
2020年に新型コロナウィルス感染症が蔓延し、職場での感染症対策が必須となりました。感染症対策の1次予防と2次予防ができているかを確認して下さい。
● 1次予防(感染予防):手洗いうがい、マスク、手指消毒、環境消毒、3密対策など
● 2次予防(早期発見):健康状態のモニタリングなど
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