社員50人以上で必須の衛生委員会とは?目的や構成メンバーを解説!

日付2021.07.23
更新日:2022.03.31
「衛生委員会」の設置基準

「衛生委員会」とは?

「衛生委員会」とは何か?

従業員が50名を超える企業では、労働安全衛生法に基づき、従業員の健康や安全を守るために必要な対策について労使が一体となって話し合うための「衛生委員会」(または「安全衛生委員会」)を設置する必要があります。日本の全ての企業は、規模や業種によって「衛生委員会」という会議を開くことが義務付けられているのです。
「衛生」とは〝健康を守り病気の予防を図ること〟で、いわゆる健康管理のことで、「衛生委員会」では、安全と健康に関するさまざまな事項を協議し、企業として取り組むべき問題とその方法について決めていきます。

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「衛生委員会」は何のために開催するの?

従業員が安心・安全に働くため、または事故などの労働災害を発生させないために、基本となるべき対策について十分な調査審議を行うためです。企業の安全衛生管理の取り組みに従業員の意見を反映させるためでもあります。

「衛生委員会」の設置基準

「衛生委員会」の設置基準

「衛生委員会」の設置基準は?

ベンチャー企業や、大きい会社の地方事業所の従業員が増え、常時従業員50人以上の労働者を超えるようになった場合、企業は衛生委員会を月に1回開かなくてはいけません。

「安全委員会」の設置基準は?

安全委員会は、業種により設置基準の人数が異なります。
① 従業員50人以上で次の業種に該当するもの
林業、鉱業、建設業、製造業の一部の業種(木材・木製品製造業、化学工業、鉄鋼業、 金属製品製造業、輸送用機械器具製造業)、運送業の一部の業種(道路貨物運送業、 港湾運送業)、自動車整備業、機械修理業、清掃業

② 従業員100人以上で次の業種に該当するもの
②製造業のうち①以外の業種、運送業のうち①以外の業種、電気業、ガス業、熱供給業、 水道業、通信業、各種商品卸売業・小売業、家具・建具・じゅう器等卸売業・小売業、 燃料小売業、旅館業、ゴルフ場業

しかし、安全委員会の設置が必要な場合(50人以上かつ特定業種)には、必ず衛生委員会の設置条件も満たすため、通常は「安全衛生委員会」として開催することになり、安全委員会のみの設置というのは原則ありません。

「安全衛生委員会」とは?

「安全委員会」または「衛生委員会」の両方を設けなければならない場合には、それぞれの委員会に替えて「安全衛生委員会」としての設置が可能となっています。

「衛生委員会」の構成に必要な人たちは?

衛生委員会の構成員は下記の通りです。

[1]総括安全衛生管理者又はそれ以外の者で、当該事業場において事業の実施を統括管理するもの若しくはこれに準ずる者(議長=委員長):1名
[2]安全管理者及び衛生管理者:1名以上
[3]産業医:1名以上
[4]労働者のうち、安全・衛生に関し経験を有するもの
[5]労働者のうち、(労働者の過半数で組織される)労働組合を代表する者、もしくは労働者の過半数を代表する者、もしくはそれらに推薦された者

※[1]以外の委員の半数以上は、従業員の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、従業員の過半数で組織する労働組合がないときは従業員の過半数を代表する者の推薦で指名しなければいけません。
※[1]-[4]については参加が必須です。

最少構成人数は明確に定められていませんが、以下の7人体制が理想です。5人体制、3人体制(衛生管理者を労働者側かつ[4]を満たすとする)も可能ですが、できる限り7人以上の構成を心がけましょう。

「衛生委員会」の構成

「衛生委員会」の各メンバーの役割や資格について

「衛生委員会」のメンバーの中で、衛生管理者、安全管理者、総括安全衛生管理者(議長=委員長)、産業医について解説します。

衛生管理者

企業は、従業員の中から衛生管理者という従業員の健康管理に関する代表者(通常の仕事と兼務)を決定し、労働基準監督署に選任報告をしなければいけません。衛生管理者に選任されるには資格を取得する必要があります。事業場の業種に応じ「衛生工学衛生管理者」「第一種衛生管理者」「第二種衛生管理者」のいずれかの免許が必要になります。「衛生工学衛生管理者」は全てを満たし、「第一種衛生管理者」は例外を除き全てを満たし、「第二種衛生管理者」は危険性の高い業種では満たされません。
また、衛生管理者は企業の規模に合わせて必要人数が多くなり、週1回以上職場巡視をすることが義務付けられています。選任必要人数は下記の表で確認しておきましょう。

選任が必要な衛生管理者の数

「衛生管理者」について、詳しくは下記のサイトで確認してください。

★「職場の安全サイト」(厚生労働省)

安全管理者

特定の業種では更に安全管理者を選任し、安全委員会月に1回開かなくてはいけません。
安全管理者を選任する必要のある業種と企業規模の関係は下記の表の通りです。

安全管理者

【安全管理者になるには?】
安全管理者になるには研修が必要な上、下記のような資格要件があります。もし該当者が資格を持っていない場合には早めに取得するよう促しましょう。

1.厚生労働大臣の定める研修(※) を修了した者で、次のいずれかに該当するもの。

1.大学、高等専門学校の理科系の課程を卒業し、その後2年以上産業安全の実務を経験した者
2.高等学校、中等教育学校(旧制中学)の理科系の課程を卒業し、その後4年以上産業安全の実務を経験した者
3.その他厚生労働大臣が定める者
・理科系統以外の大学を卒業後4年以上産業安全の実務を経験した者
・理科系統以外の高等学校等を卒業後6年以上産業安全の実務を経験した者
・7年以上産業安全の実務を経験した者   等

2.労働安全コンサルタント

引用:公益社団法人 労務管理教育センター ホームページ
https://www.roukan.or.jp/

総括安全衛生管理者

下記の表の条件に当てはまる場合には、総括安全衛生管理者を選任し、14日以内に労基署へ選任報告をする必要があります。
総括安全衛生管理者は、安全衛生の方針を決め、危険性または有害性の調査に関することや、安全衛生に関する計画の作成・実施・評価・改善に関する業務を統括する役割です。工場長や作業所長など、実質的に責任のある立場や、統括管理する権限がある必要がありますが、特に必要な免許や研修はありません。衛生委員会または安全衛生委員会においては、議長(委員長)を務めます。

統括安全衛生管理者

産業医

従業員50人以上を超える企業では、産業医の選任も義務付けられ、衛生委員会には産業医も出席します。産業医は、専門家の立場から、労働災害の原因または再発防止についてアドバイスをします。ときには、健康や安全についての講義(衛生講話)を行い、企業の健康意識や安全意識を高めます。

【産業医の活動内容の周知について】
働き方改革法案(2019年4月1日)で規定された「産業医・産業保健機能の強化」において、従業員に対して「産業医の業務内容の周知」が義務付けられました。
周知内容としては、
●事業所における産業医の業務内容
●産業医に対する健康相談の申出の方法
●産業医による心身の状態に関する情報の取り扱い方法
について周知する必要があります。

また、周知する方法としては以下のいずれかの方法が望まれます。
●常時各作業場所の見やすい箇所に掲示・備付などを行う
●書面を従業員に交付
●磁気テープ、磁気ディスクなどに記録し、各作業場所において常時確認できる機器を設置(イントラネットの電子掲示板への掲載を含む)

初めて安全衛生に取り組む企業においては、これら周知内容を1から作成することは難しいと思われます。以下のDr.健康経営が提供するテンプレートを使用することで、初めての企業様でも、負担なく必要な内容を作成することができます。

※Dr.健康経営が提供するテンプレートはこちら

・社内掲示用 産業医の活動内容

鈴木 健太
監修者
鈴木 健太(すずき けんた)
代表取締役/医師・産業医

1989年、東京都国立市出身。2009年、筑波大学医学部へ入学。
在学中にKinesiology, Arizona State Universityへ留学し、医学・経済学・人文学等を学ぶ。
卒後は国立国際医療研究センターで勤務医として働く。
予防医療の重要性に気づき、帝京大学公衆衛生大学院で健康経営を研究しつつ、産業医として多くの企業を担当する。