職場復帰支援における、復帰後のフォローアップ方法と、職場復帰支援プランの作成

日付2021.07.30
更新日:2022.03.31
職場復帰支援プラン

職場復帰支援プランとは?

休職している従業員の職場復帰が可能と判断したら、産業保健スタッフを中心に「職場復帰支援プラン」を作成します。プランにもとづいて着実に職場復帰を進めることが、復帰後に長く安定して働けることにつながることを本人へ説明し理解してもらいましょう。
いきなり休業前と同じ業務内容に戻るのではなく、本人の状況に合わせて無理のないプランを作成し、「慣らし勤務」として段階的に仕事の負荷を上げていき、元の就業状態に戻していきます。
具体的には、最初は残業を制限し、単純作業や定型業務を担当するなど、仕事の質と量を調整します。その後、1、2カ月ごとに段階的に仕事の質と量を上げていき、復職6カ月後を目安に通常業務へ戻していきます。「職場復帰支援プラン」には、各段階に応じた業務内容や求められる水準なども明記しましょう。
本人の希望を優先させたプランが、必ずしも円滑な職場復帰につながるとは限りません。就業上の配慮の程度などについて、主治医や産業医などの医学的な意見を踏まえたうえで、総合的に判断してプランを作成しましょう。

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職場復帰支援プラン

就業上の配慮の例

●短時間勤務(短時間勤務の場合、始業時間を遅らせるのでなく終業時間を早めること)
●軽作業や定型業務への従事
●残業・深夜業務を禁止する
●出張を制限する
●交替勤務を制限する
●危険作業、運転業務、高所作業、窓口業務、苦情処理業務などを制限する
●フレックスタイム制度を制限、または適用する
●転勤について配慮する  など

職場復帰支援プランの作成例をご紹介

職場復帰にあたっては、原則元の職場に復帰し、復帰直後は負担の少ない業務から段階的に開始します。給与を変更する場合は、労働契約などに違反していないか注意してください。また、面談の頻度や面談には誰が出席するかをあらかじめ決めておく必要があります。休業前の業務や仕事量に戻った後も、しばらくは定期的な面談などのフォローを行い、メンタル不調の再発に注意してください。
職場復帰支援プラン
職場復帰支援プラン

職場復帰後はフォローアップが大事!

職場復帰は、「職場復帰支援プラン」の計画通りに進まないことも多く、またメンタル不調の再発による再休職を予防するためにも復帰後のフォローアップが必要です。具体的には、管理監督者によるフォロー、産業保健スタッフによる定期的な面談を実施し、勤務状況や体調を確認しつつ、必要に応じて「職場復帰支援プラン」の見直しを行います。
回復が順調な場合は「慣らし勤務」期間を短縮し、回復が遅れる場合は最長1年でゴールに達することを目指します。1年経過してもゴールに達することができないと判断した場合、早期に支援チームでプランを見直しましょう。
また、「職場復帰支援プラン」は個人情報が多く含まれているため、開示者を限定するなど取扱いのルールを決めておく必要があります。
職場復帰支援プランの見直し

復職直後の注意点

特にメンタル不調の場合、復職後2週間〜1カ月間は症状の再発リスクが高くなります。そのため、産業保健スタッフを中心にケアを行い、復職後も継続して「生活記録表」を記入してもらうとよいでしょう。

復職後フォロー面談

復職後は半年〜1年間フォローすることで、メンタル不調の再発による再休職を予防することができます。復職直後は1週間〜1カ月に1回程度、その後も1カ月〜数カ月に1回程度の面談を継続するとよいでしょう。

慣らし勤務

復業後は「職場復帰支援プラン」に従って、業務内容や就業時間に制限をかけながら業務負荷を徐々に増やしていき、6カ月を目安に元の仕事に戻るという職場復帰のゴールを目指します。
例としては「半年後までは残業や出張はさせず、ごく簡単な業務を任せるようにし、その後1カ月ごとに業務負荷を少しずつ増やしていきながら半年後に通常の業務量に戻すプランニングをする」などが考えられます。問題なく「慣らし勤務」が終了しても、再休職の確率が下がるまでの復職後1、2年間は、メンタル状態の変化がないか上司や産業医面談による定期的な観察を継続しましょう。

鈴木 健太
監修者
鈴木 健太(すずき けんた)
代表取締役/医師・産業医

1989年、東京都国立市出身。2009年、筑波大学医学部へ入学。
在学中にKinesiology, Arizona State Universityへ留学し、医学・経済学・人文学等を学ぶ。
卒後は国立国際医療研究センターで勤務医として働く。
予防医療の重要性に気づき、帝京大学公衆衛生大学院で健康経営を研究しつつ、産業医として多くの企業を担当する。