ストレスチェック項目数の57項目、23項目、80項目の違いとは?

日付2020.09.16
更新日:2022.03.31
ストレスチェック項目数の57項目、23項目、80項目の違いとは?

ストレスチェックの調査票を作成するにあたり質問内容の「57項目、23項目、80項目の違いは何だろう?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
また「項目が多い方がいいのか?少なくても問題ないのか?なぜ項目数に違いがあるのか?」など、調査票の項目数について気になることも多いです。
そこで今回は、ストレスチェック調査票について、必要な項目、項目数の違い、その他ストレスチェックの項目に関して理解しておくべきことを解説します。

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ストレスチェックの目的

メンタルヘルス不調は一次予防、二次予防、三次予防の3段階がある

メンタルヘルス不調の予防には3つの段階があります。労働者が自分のストレス状態に早期に気づき、セルフケアを行ったり自発的なカウンセリング受診などの対処をすることでメンタルヘルス不調を未然に防ぐ一次予防。
メンタルヘルス不調のある労働者が「うつ病」などの本格的なメンタルヘルス不調にならないよう、早期に高ストレス者を発見し適切な措置を講じる二次予防。
メンタルヘルス不調により休職する労働者の職場復帰を支援し、休職後の再休職を防止する三次予防があります。

【参考URL】

https://www.mhlw.go.jp/content/000533925.pdf

ストレスチェック制度の目的は一次予防

ストレスチェック制度の目的は”メンタルヘルス不調を見つけること”と思われがちです。
しかし、一次予防として期待されるストレスチェック制度実施の目的は、2つのストレスマネジメントの視点を持つことです。
1つ目は労働者が自分自身のストレス状態に気づき、セルフケアの視点を持つきっかけになる個人としてのストレスマネジメントをすること。
2つ目は、事業者が職場全体のストレス状況を把握し、より働きやすい環境作りに努める職場としてのストレスマネジメントをすることです。

【参考URL】

https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei12/pdf/150709-1.pdf

【関連記事】

ストレスチェックの目的とは?メンタルヘルス不調の一次予防で職場環境改善に繋げよう

ストレスチェック項目に必要な3領域とは


ストレスチェックの調査票を作成する際に、必ず含める必要がある3領域の質問事項があります。

  • 仕事のストレス原因(ストレッサー)に関する質問項目
  • ストレスによる心身の反応や自覚症状に関する質問項目
  • 労働者に対する周囲のサポートに関する質問項目

「仕事のストレス原因に関する領域」はストレスの原因を過去からみる質問事項、「心身のストレス反応に関する領域」はストレスの反応から今の状態をみる質問事項、「周囲のサポートに関する領域」は今後のストレス緩和につながる可能性をみる質問事項になっています。
上記の3領域の質問項目を点数化し、ストレスチェックの受験結果から高ストレス者を判定します。

ストレスチェックの57項目、23項目、80項目の違いは何?

ストレスチェック57項目

ストレスチェックの調査票は指定されておらず、各企業で準備する必要があります。
しかしゼロから作ることが難しい場合は、厚生労働省から出されている「職業性ストレス簡易調査票(57項目)」を用いることが推奨されています。
実際にもっとも多くの企業で使われているのが、この「職業性ストレス簡易調査票(57項目)」です。
調査にかかる時間は5分ほどで、3領域の質問を網羅的に含み職場が原因で起こる「個人のストレス反応」がわかる内容になっています。
また、職業性ストレス簡易調査票(57項目)をベースにして、事業場に合わせた質問事項を追加するのが望ましいです。

【参考URL】

https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei12/dl/stress-check_j.pdf

ストレスチェック80項目「57項目」との違いは何?

80項目版のストレスチェック調査票は「新職業性ストレス簡易調査票」と言われ、近年多くの企業から注目を集めています。
一般的にストレスチェックに用いられる57項目の質問項目にプラスして、仕事のモチベーション、上司のマネジメント、ハラスメントなどについても調査できる調査票になっています。
57項目版は個人のストレス状態を把握することを目的として作られている調査票なので、集団分析による職場環境改善に繋がりにくいという課題があります。
それに対して80項目版は、やりがいやハラスメントなどよりよく働くための質問項目が含まれているので、結果を集計分析することで57項目版よりも職場改善策の検討などの効果的な結果に繋がりやすいです。
ストレスチェックを活用して、高ストレス者を発見することだけでなく、働きやすい職場に環境改善をしていくのであれば80項目版の調査票を用いることで確かな職場改善が期待できます。

【参考URL】

https://mental.m.u-tokyo.ac.jp/jstress/

ストレスチェック23項目「57項目」の簡略版とは?

もっとも手短にストレスチェックを行えるのが簡略版である23項目版の調査票です。
ストレスチェックに必要な3領域が23項目の中にまとめられているので、手っとりばやく職場のストレス状況を把握できます。
しかし、得られる情報も最低限になりますので集団分析を行う際には少ない情報で解析していくことになります。
高ストレス者は発見できるとされているものの、細かな要素から得られる情報をもとに職場環境の改善に繋げていくのであれば、項目数が多い調査票を用いることをお勧めします。
また57項目版や80項目版に比べ半分以下である23項目の簡略版調査票に対し「23項目でも問題がないの?」と疑問に思う方もいると思いますが、ストレスチェック調査票の項目に必要な3領域が含まれているので問題はありません。
労働者が自身のストレス状態を確認でき、高ストレス者の発見もできるため、ストレスチェックの目的である「メンタルヘルス不調を未然に防ぐ」精神障害の一次予防に効果がある調査票とされています。

【参考URL】

https://stresscheck.mhlw.go.jp/download/material/sc23.pdf

何項目のストレス調査票を使えばいい?

職業性ストレス簡易調査票には、57項目版、80項目版、23項目版がありますが、結局何項目の調査票を使用するのかは迷いどころです。選ぶ時のポイントとして、下記の2点があります。

  • 職場を取り巻くストレス環境をどの程度知りたいか
  • どの程度までストレス対策や職場環境改善に努めたいか

義務化されたストレスチェック制度の目的である「メンタルヘルス不調を未然に防ぐこと」に繋げるには、高ストレス者を早期に見つけられることが最も重要です。
個人のストレス状態を知るのであれば23項目版でも問題はなく、57項目版であれば全体を網羅している質問事項から総合的な結果を得ることも可能です。
しかし、ストレスチェックを行い職場の課題を明確にし改善のための要素を分析するのであれば、項目数は多い方が望ましいでしょう。
各企業が目的とするストレスチェックになるように項目数を選び、職業や事業場ならではの質問事項を追加していくのがベストだと言えます。

ストレスチェックの項目は増やしてもいいの?

ストレスチェックの項目は独自に増やすことが可能で、厚生労働省から出されている職業性ストレス簡易調査票(57 項目)は、標準的な項目として参考にし各企業ごとに必要に応じて項目を増やすことが望ましいとされています。
しかし項目を増やす時にはルールがあり、「3つの領域に関すること」と「一定の科学的根拠があること」に該当する必要があります。
この2つに当てはまる質問であれば、衛生管理委員会にて実施方針を審議する際に調査票の項目を増やすことが可能です。
事業者側が労働者に対してストレスチェックに関係のない質問を調査票に入れるなど、不適切な質問項目を増やすことはできません。

【参考URL】

https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11201000-Roudoukijunkyoku-Soumuka/0000058947.pdf

外国人労働者版ストレスチェックについて

日本で働く外国人労働者の数は年々増加しており、外国人労働者の増加とともに労働災害の件数も大幅な増加傾向にあります。
外国人労働者も他の労働者と同様に、一定の条件を満たしていればストレスチェックの対象者になるので、他の労働者を同じようにストレスチェックを実施します。
また、メンタルヘルス不調の一次予防や労働災害を予防する観点から、意味のあるストレスチェックが行えるように外国語版の調査票について事前に確認しておきましょう。
外国語版ストレスチェックは厚生労働省のホームページからダウンロードが可能です。英語だけでなく、ポルトガル語、中国語、ベトナム語のストレスチェック調査票も掲載されています。
調査を効果的なものにするために、日本語と英語の理解が難しい労働者については事前に把握しておくことが望ましいです。

【参考URL】

https://www.mhlw.go.jp/content/11655000/000590310.pdf
https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei12/dl/stress-check_e.pdf
https://jsite.mhlw.go.jp/shizuoka-roudoukyoku/hourei_seido_tetsuzuki/anzen_eisei/hourei_seido/_120099.html

鈴木 健太
監修者
鈴木 健太(すずき けんた)
代表取締役/医師・産業医

1989年、東京都国立市出身。2009年、筑波大学医学部へ入学。
在学中にKinesiology, Arizona State Universityへ留学し、医学・経済学・人文学等を学ぶ。
卒後は国立国際医療研究センターで勤務医として働く。
予防医療の重要性に気づき、帝京大学公衆衛生大学院で健康経営を研究しつつ、産業医として多くの企業を担当する。