安全衛生委員会のネタ選びのポイントは?話し合うべき内容や注意点を解説

日付2022.02.22
更新日:2022.02.22

安全衛生委員会で話し合うべきネタが思い浮かばず悩んでいる人もいるかもしれません。本記事では、安全衛生委員会で話し合うテーマを探している人に向けて安全衛生委員会のネタを選ぶ際のポイントを詳しく解説します。

また、安全衛生委員会で話し合うべき内容や注意点も合わせて解説するのでネタ探しを行う際の参考にしてみてください。

記事を最後まで読めば、安全衛生委員会で話し合うべき内容を把握でき、安全衛生委員会で話し合うネタ選びもスムーズに行えるようになるでしょう。

そもそも安全衛生委員会で話し合うべきこととは?

安全衛生委員会のネタ選びが思うように進んでいない場合は、話し合うべき内容を正しく把握できていない可能性があります。まずは、安全衛生委員会で扱うべき内容を解説します。

安全委員会で話し合う内容

労働安全衛生法では、安全委員会を毎月1回以上行うことが定められています。また、安全委員会で取り扱うべき内容も義務付けられており、安全委員会のメンバーは労働者が安全に働ける環境を確保する責務を担っています。

例えば、業務上の労働者の安全に関する事項を定めた社内規程の作成や、労働者が安全に業務を行うための具体的な計画の立案・実施・評価・改善などに関することです。

また、危険性かつ有害性の高い業務が発生する場合はあらかじめ調査を行い、調査結果を基に安全面の対策などを話し合う必要があります。

さらに、平時での開催とは別に災害などの有事の際は臨時開催し、現状を把握した上で安全に関する対策などを審議しなければなりません。

衛生委員会で話し合う内容

衛生委員会も安全委員会と同様に毎月1回以上の開催が義務付けられています。衛生委員会では、労働者の衛生に関する内容を議題にした話し合いが必要です。

労働安全衛生法で定められている具体的な審議内容は、労働者に衛生教育を実施するための計画や、定期健康診断やストレスチェックなどの診断結果に基づいた対策の検討などが挙げられます。

また、長時間労働の是正は働き方改革の推進だけでなく、労働者の心身の健康を守るために重要なことです。長時間労働が原因で労働者が健康障害を引き起こさないための対策も衛生委員会で話し合うことが大切です。

さらに、労働者のメンタルケアも企業に課せられている責務であるため、セクハラやパワハラなどのハラスメントへの対策・予防策の検討も欠かせません。

安全衛生委員会のネタの選び方ポイント

安全衛生委員会での話し合いに適したネタを選ぶためには、いくつかポイントがあります。以下では、ネタ選びの際に考慮すべきポイントを4つ紹介します。ネタを探す際の参考にしてみてください。

ネタを考える人は当番制にする

安全衛生委員会で取り上げるネタは、特定の人だけが考えることのないように注意しなければなりません。ネタを考える人が同じ場合、異なる視点を取り入れることができず毎回似たような議題を話し合うことになります。

話し合うネタを決める人がいると会議がマンネリ化するだけでなく、他のメンバーの会議での積極性が失われてしまうケースも少なくありません。

具体的な対策は、ネタを検討する担当者は特定の人に決めず、当番制を採用してメンバー全員がネタを考える機会を作ることです。

ネタ選びを全てのメンバーが交代で担当すれば、会議に参加する姿勢を受動的なものから能動的なものへ変えることができます。

世の中で問題になっていることを取り上げる

安全衛生委員会のネタを探す際は、社会問題などの世の中で話題になっていることを取り上げてみましょう。

例えば、労務関連の法改正があった場合は、自社の現状に置きかえて社内規程や就業ルールなどで変更すべきことはないか、想定される問題点や課題がないかなどを話し合うのも一つの方法です。

他にも、新型コロナウイルスや働き方改革なども、安全衛生委員会のネタに向いています。社内での衛生管理の強化や自宅・サテライトオフィスなどでのリモートワークの検討なども有効です。

また、世界的に注目を集めているLGBTや外国人の労働者をはじめとしたマイノリティに対し、自社ではどのように対応すべきかを安全衛生委員会の議題に挙げることも大切です。

マイノリティで悩んでいる労働者のストレスやメンタルケアにつなげることができます。

自社で困っている内容などをネタにする

自社の問題点や課題になっていることを、安全衛生委員会のネタに選ぶ方法もあります。

例えば、自社で実施しているストレスチェックや定期健康診断などの結果は、安全衛生委員会のネタを探す際に活用できます。ストレスチェックで高ストレス者と診断された社員が多い場合は、社内の職場環境に課題があるかもしれません。

また、定期健康診断の結果から、再検査や休職が必要な社員がいる場合は、業務分担の適正化、食生活・運動習慣の見直しなどを検討してみるのもよいでしょう。

他には、社内コミュニケーションの活性化を目標にし、職場内のコミュニケーションの見直しや改善のアイデアをメンバーで議論し合うのもおすすめです。

取り上げて欲しいネタを社内公募する

委員会のメンバーが当番制でネタを探す仕組みにしても、ネタ切れになるのは避けられません。また、委員会のメンバーがずっと同じ場合は、異なる視点を取り入れられないため、ネタ探しが難しくなる可能性があります。

安全衛生委員会で取り上げるネタが思い浮かばない場合は、社内でアンケートなどを実施して会議で検討して欲しいネタやテーマなどを公募しましょう。

安全衛生委員会で取り上げて欲しいネタを社内公募で集めるメリットは、委員会のメンバーとは異なる視点を取り入れられることです。現場に近い職員から意見を集めることで、これまで問題視してこなかった課題を見つけられるかもしれません。

安全衛生委員会のネタ年間スケジュールと具体例

安全衛生委員会のネタは、年間スケジュールに沿って選ぶことが大切です。月ごとに安全衛生委員会で取り上げるべきテーマを決めておくことで、ネタを選びやすくなります。

また、年間スケジュールを立てて月ごとにテーマ分けしておけば、過去に取り上げたテーマと同じ議題になるのを避けることができます。年間スケジュールは、年頭や年度が始まる前に立てておきましょう。

以下の表は、1月〜12月までの年間スケジュールの具体例をまとめました。自社の年間スケジュールを作成する際に役立ててください。

1月 ・生活習慣の見直し、改善(病欠を理由にした休職・離職を減少させる)
2月 ・有給消化の取得率の確認や消化率への対策
・リモートワークやワーケーションの導入(ワークライフバランスの充実)
3月 ・LGBT、マイノリティ対策
・外国人の従業員の支援
4月 ・社員のメンタルヘルス対策(社員の五月病・自殺の予防、離職率の低下)
・精神疾患の正しい知識を持つ(自律神経失調症やうつ病など)
5月 ・ハラスメント対策(パワハラ、セクハラ、マタハラなど)
・ハラスメント事例
6月 ・眼精疲労、ドライアイなどの対策
・オフィス緑化の検討
7月 ・定期健康診断の結果への対策
8月 ・社員の健康づくりを支援(スポーツジムなどの施設の割引適用)
・運動習慣について
9月 ・防災(通勤災害、交通事故など)
・AEDについて
10月 ・社内公募ネタ(職場環境の見直し、コミュニケーションの取り方など)
・福利厚生の利用状況、改善、提案
11月 ・感染症の予防(インフルエンザやノロウイルスなど)
・安全衛生教育(手洗いやうがい、アルコール消毒など)
12月 ・時事ネタ(忘年会・新年会に向けた新型コロナウイルスの感染対策)
・お酒の場でのマナー、ルール、お酒との付き合い方

安全衛生委員会のネタ選びで注意したいこと

安全衛生委員会で取り上げるネタを選ぶ際に注意すべきことがあります。注意点を無視してネタを選ぶと、会議のマンネリ化などの問題を引き起こしてしまうかもしれません。以下では、ネタを選ぶときに注意したいことを解説します。

個人が特定される事例をネタにしない

安全衛生委員会のネタとしてさまざまな事例を取り上げるのも有効な手段の一つです。ただし、個人を特定できる情報を伏せずに会議で公開してしまえば、個人のプライバシーを侵害する恐れがあります。

取り上げる内容にもよりますが、最悪の場合は訴訟などに発展するケースもあるため、事例などを会議で取り上げる場合は注意が必要です。

例えば、実名や部署名、ハラスメントなどの繊細な内容などの個人情報が含まれる事例を紹介する際は、社内ルールに基づいて適切な情報管理を行いましょう。

具体的な内容を選ぶ

抽象的な内容をネタにしてしまうと一歩踏み込んだ議論ができなくなるため、ネタを選ぶ際は具体的な内容を選びましょう。

例えば、パワハラの事例を取り上げる場合は、抽象的な内容だと事例の原因や対策などを紹介するだけで終わってしまうため十分な議論は行えません。

一方で、パワハラをした上司にパワハラと指導の違いを理解させる方法や、注意喚起の手段などをネタにすれば、具体的な行動に落とし込むことを目的にした議論を深められます。

ただし、専門性が高い内容や一部のメンバーのみが分かる内容は議論しづらくなるため会議のネタに選ぶのは避けましょう。

毎年同じ情報や資料を使いまわさない

過去と似たようなテーマを取り上げる際は、情報や資料の使いまわしが起こらないように注意する必要があります。同じ情報や資料を使いまわした場合、会議のマンネリ化を引き起こしやすくなります。

同テーマを扱う場合は、最新情報や自社の分析データを盛り込むなどの工夫を行うことが重要です。以下に挙げるテーマは使いまわしされやすいため、取り上げる場合は注意しましょう。

・花粉症
・定期健康診断
・メンタルヘルス
・熱中症
・インフルエンザ
・ノロウイルス など

産業医と連携する

安全衛生委員会を成功させるためには、産業医との連携が欠かせません。産業医がメンバーの一員になることで医学的な見地から具体的なアドバイスをもらえるようになります。

産業医を安全衛生委員会のメンバーに迎えるメリットは大きいものの、最終的な判断や取り上げるテーマを産業医に一任してしまう企業も少なくありません。

安全衛生委員会のメンバーである以上は、一人ひとりが責務を全うしなければならないため、産業医との連携をうまく取りながら活発な議論を行うことを心掛けましょう。

まとめ

安全衛生委員会のネタを選ぶ際のポイントは、ネタを選ぶ人は当番制にする、時事ネタを取り上げる、社内公募するなど、異なる視点を入れることが大切です。さらに、健康管理やメンタルケアを取り上げる際は、産業医との連携が欠かせません。

産業医コンシェルジュは、産業医が在籍していない企業に経験豊富なプロの産業医を紹介するサービスです。プロの産業医が安全衛生委員会の運営や労働者のメンタルケア、健康管理などをサポートします。安全衛生委員会を運営できる産業医を探している方はお気軽にご相談ください。

鈴木 健太
監修者
鈴木 健太(すずき けんた)
代表取締役/医師・産業医

1989年、東京都国立市出身。2009年、筑波大学医学部へ入学。
在学中にKinesiology, Arizona State Universityへ留学し、医学・経済学・人文学等を学ぶ。
卒後は国立国際医療研究センターで勤務医として働く。
予防医療の重要性に気づき、帝京大学公衆衛生大学院で健康経営を研究しつつ、産業医として多くの企業を担当する。