産業医の役割・選任
産業医選任届を提出するまでを3ステップで解説!
企業の健康経営を支える役割を果たす産業医。産業医との契約をした場合には、労働基準監督署に「産業医選任届」という書類を提出する必要があります。
しかしながら、役所に提出する文章に対して、「ややこしくて難しそう」と苦手意識を感じてしまう読者の方も多いのではないでしょうか?
この記事では、産業医選任届のための書類をどのように手に入れて、何を執筆し、どこにいつまでに提出するとよいのかを3ステップに分けて解説します。
この記事を読んで、産業医選任届提出までの一連の流れをしっかり把握しましょう。
産業医の選任にお困りの方は、産業医紹介のDr.健康経営までお気軽にご相談下さい
目次
Step1: 書類を手に入れましょう
最初のステップとして、書類を準備しなくてはいけません。労働基準監督署に提出する書類ですので、書類の様式は決まっています。書類を手に入れる方法としては、次の3つの方法があります。
・厚生労働省の入力支援サービスを利用する
・厚生労働省のサイトから未記入の書類をダウンロードする
・労働基準監督署で書類をもらう
厚生労働省の入力支援サービスを使用する
一番オススメな方法は、以下のURLから「労働安全衛生法関係の届出・申請等の帳票印刷にかかる入力支援サービス」を受ける方法です。
オンライン上で提出用の帳票を作成することができます。帳票の中に記入ミスや漏れなどの不備があるとプリントアウトすることができないという機能も備えています。
印刷する時にはA4サイズで白色度80%以上の用紙を印刷しましょう。
このサービスでは、入力したデータを保存しておくこともできます。例えば、この保存機能を利用すると、複数人の産業医選任を同時に行う時に、共通の記載部分を入力する手間を省くことができます。
データの保存は自分のパソコン上で行います。「データを保存する」というボタンを押すことでXML形式で保存します。
2回目以降に使う時には、「帳票入力データの読み込み」をから保存したファイルを読み込むことができます。
ただし、このツールはあくまで書類作成のためのものです。書類作成しても労働基準監督署には、あとで紹介する方法で提出しなくてはいけません。
【参考URL】
https://www.chohyo-shien.mhlw.go.jp/
厚生労働省のサイトから未記入の書類をダウンロード
コピーができる場合には、厚生労働省の以下のサイトからpdfファイルで書類をダウンロードすることもできます。
入力支援サービスと同じように、ダウンロードした書類をコピーするときにはA4サイズで白色度80%以上の用紙を使いましょう。
【参考URL】
https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei36/20.html
労働基準監督署で書類をもらう
印刷ができない状況や、労働基準監督署が近くにある場合には、直接書類を入手することもできます。ご不安な点がある場合にもその場の職員に質問をすることができますね。
Step2: 産業医選任届を記載する
産業医選任届を手に入れたら、次は実際に記入していきましょう。手書きで選任書を作成する場合には、必ず黒のボールペンを使用するようにしてください。
また、例えば「が」のような濁点や半濁点の付いている文字を扱う場合には、分割せずに一つの枠に収まるように記載するという決まりになっています。
産業医選任届には以下の項目を記載しましょう。
労働保険番号
労働保険番号というものが必要です。
労働保険番号は、事業所ごとに割り当てられている番号です。わからない場合には、都道府県の労働局か労働基準監督署にて確認をする事ができます。
ページ数
書類の合計枚数の何ページ目かを記入しましょう。もし1人の産業医の選任報告だけでしたら、1/1と記載するだけです。
1人以上の産業医の選任報告をする場合には、ページ数にあった記載をするようにしましょう。
事業所の情報
届出をする事業場の名称、所在地、電話番号を記入しましょう。
さらに、労働者数も記入するのですが、健康への影響が大きい業務に携わる特定業務従事者に付いては別途人数を記入しなくてはいけません。
- 特定業務とは労働安全衛生規則第13条第1項2号に掲げる業務に従事する労働者である。
- 高熱・暑熱業務や低温・寒冷業務
- X線などの有害放射線に晒される業務
- 土石、獣毛等の埃塵または、粉末が飛散する場所における業務
- 異常気圧下で行う業務
- 削岩機や鋲打機等により体に著しい振動を与える業務
- 重量物の取扱い等重激務
- 騒音の伴う業務
- 坑内での業務
- 深夜業務
- 有害ガスや有害な化学物質の発散する場所における業務
- 病原体によって汚染の恐れが著しい業務
など
事業の業種
事業の業種の欄には、総務省が出している現行の日本標準産業分類のなかの「中分類」にて該当するものを書きます。以下に示す総務省のサイトから事業所の分類を検索して記載しましょう。
産業医の情報
選任した産業医の氏名と生年月日を記入する欄です。この欄は署名ではないので、事業者が産業医の氏名と生年月日を代わりに記入しても構いません。
産業医選任年月日
選任した産業医の選任の年月日を記入します。前任の産業医を解任した場合には、14日以内に次の産業医を選任しなくてはいけません。
解任後、14日以内に選任しない場合には、50万円以下の罰金が生じてしまいます。産業医選任の年月日はそのような重要な情報を記載する場所なのです。
選任種別
産業医の場合には「5」と記載します。
産業医の医籍・産業医登録番号
産業医の医籍・産業医登録番号の欄には、選任した産業医の登録番号を記入しましょう。
産業医種別という記入枠に関しては、産業医認定証の場合は「1」を、労働衛生コンサルタント登録証の場合には、「3」を記入します。
辞任・解任について
産業医の交代の場合には、前任の産業医の情報も記載する必要があります。
参考事項
初めての産業医選任の場合「新規選任」と記載しましょう。また、産業医の専門としている科も記載します。
もし、契約する産業医が自分の病院を持っている開業医の場合には、「開業医」と記載します。
Step3: 書類を提出しよう
書類の記載が終了したら、書類を所轄都道府県の労働基準監督署に提出します。
提出方法は、電子申請、郵送、直接窓口に出向くの3つの方法があります。産業医の選任は、産業医が必要な従業員数に達したり、前任の産業医を解任した日から14日以内に選任する必要があります。
産業医の選任に必要な書類は以下の3つです。
- 産業医選任届
- 医師免許のコピー
- 産業医の資格を証明する書類(産業医認定証・労働衛生コンサルタント登録書)のコピー
手際よく必要な書類を集めて、期限に間に合うように書類の提出をしましょう。
電子申請システムによる手続き
e-Gov電子政府の総合窓口から電子申請をすることができます。添付文書や部数を確認し、必要な書類を全て電子ファイルにて準備して電子申請を行うようにしましょう。
24時間365日のサービスですが、年末年始やシステムのメンテナンスの際にシステムの運用が中止することがあるので、期限ギリギリになる前に余裕をもって提出しましょう。
郵送する
都道府県の労働基準監督署に郵送することもできます。労働基準監督署の住所を調べて、郵送するだけで提出をすることができます。
郵送により提出する場合には、提出書類に併せて切手と宛名を記入した自社宛の返信用封筒を同封することを忘れないようにしましょう。
直接窓口に出向く
電子申請も郵送もしない場合には、都道府県の労働基準監督署に直接窓口から提出することができます。以下のURLより場所を調べてみましょう。
窓口受付に関しては、それぞれも窓口の受付時間が基本的には8時30分から17時まで(ただし、土曜日・祝日・休日・年末年始(12/29~1/3)を除きます)と決まっていますので、しっかりと事前に確認しておくことが大切です。
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