産業医の役割・選任

産業医がいない中小企業は?罰則や相談先、対処法を解説

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更新日:2023.07.20

常時50人以上の従業員を使用する企業には、産業医の選任義務が生じます。中小企業のなかには、選任義務が生じたのに産業医がいない企業や、50人未満なため産業医を選任していない企業もあることでしょう。

そもそも、産業医がいない中小企業には、どのようなデメリットが生じるのでしょうか。

本記事では、中小企業における産業医の選任基準やいない場合の罰則、相談先を解説します。産業医がいない状態を放置すると、企業に多くのリスクが発生します。正しい対処法や相談先を知って、すみやかに対処しましょう。

産業医訪問や選任は必須?

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たとえ中小企業であっても、事業所で常時勤務している従業員の人数によっては、産業医の選任義務が発生します。場合によっては嘱託産業医でなく、専属産業医が必要になることもあるため注意が必要です。

まずは、産業医選任の基準について詳しくみていきましょう。

産業医の選任義務については、こちらの記事で詳しく解説しています。あわせてご一読ください。

従業員が50人以上の事業所では義務

従業員が50人以上の事業所では、産業医を選任する義務があります。選任すべき産業医の種類や人数は、事業所で働く従業員の数によって変わります。

表に詳細をまとめたので、自社に必要な産業医の種類や人数を確認しておきましょう。

事業場の規模
(常時使用する労働者数)
産業医の人数 産業医の種類
50 人未満 選任義務なし(努力義務)※1
50〜999人 1人 嘱託 ※2
1,000〜3,000人 1人 専属
3,001人以上 2人 専属

※1:医師などによる健康管理などの努力義務はあり
※2:常時1,000人以上の従業員がいる事業所で、特定の業務に常時500人以上の従業員を従事させている事業所は、専属産業医の選任義務あり
“出典:厚生労働省産業医について」”

嘱託産業医とは、月に1度企業を数時間訪問して、従業員の健康を管理する非常勤の産業医です。日ごろは病院の勤務医や開業医として働いており、契約した日数・時間に基づいて企業を訪問します。

一方で専属産業医は、その事業所専属で活動を行う産業医です。専属であれ嘱託であれ、行う業務に差はありません。

50人未満の事業所では努力義務

従業員が50人未満の事業所では、産業医の選任は努力義務とされています。そのため、必ずしも選任しなくてはならないわけではありません。

しかし、働き方改革やメンタルヘルスの不調を訴える人の増加などの時代背景から、産業医の選任義務はなくても、ストレスチェックの実施は推奨されています。

なお従業員数が10人以上の事業所では、次のような義務が発生するため注意しましょう。

    • ・健康診断の実施
    • ・長時間労働者の面接
    • ・社会保険と労働保険の加入

実施すべき内容を踏まえると、50人未満の事業所であっても、産業医と連携しながら従業員の健康を管理する重要性は高いといえます。

なお従業員が50人未満の事業所は、条件を満たせば「団体経由産業保健活動推進助成金」という制度を利用できます。この制度を活用すれば、産業保健サービス活動費の80%(上限100万円)の助成を受けられるので、積極的に活用してみるとよいでしょう。

“参考:厚生労働省「団体経由産業保健活動推進助成金のご案内」

他の人を産業医の代わりにすることは可能?

従業員が50人以上の企業では、産業医を選任することが法律で義務付けられています。そのため、契約している産業医以外の人を代わりにすることはできません。

一方で、50人未満の事業所には産業医の選任義務はないため、他の専門家や機関に相談しても問題ありません。医師や地域産業保健センター事業を利用したりすることで、産業医の代用とすることが可能です。

従業員の健康管理を行ったり安全な職場環境を整えたりすることは、企業の義務です。産業医の選任義務がない企業であっても、専門家や外部機関と連携しながら産業保健に取り組む必要があります。

産業医がいない中小企業が取るべき対処法

現在、産業医がいない中小企業が取るべき対処法は、以下の3つです。

    • 1.本社で選任している産業医に相談する
    • 2.産業医紹介サービスを利用する
    • 3.地域産業保健センターを活用する

ここからは、各対処法の詳細を解説します。

とくに、産業医の選任義務がある50人以上の事業所は、すみやかにいずれかの対処を実施してください。

本社で選任している産業医に相談する

本社ですでに産業医を専任しており、支社や営業所でも産業医の選任義務が発生した場合は、本社を担当している産業医に相談してみましょう。事業所を兼任してくれたり、対応が可能な産業医を紹介してくれたりする可能性があります。

ただし、「本社には専任の産業医が必要」「紹介できる産業医がいない」などの理由で、希望する結果が得られない可能性は十分に考えられます。必ず対応してもらえるわけではない点を理解しておきましょう。

産業医紹介サービスを利用する

すぐにでも産業医の力を借りたい場合は、産業医紹介サービスの利用をご検討ください。産業医紹介サービスは、産業医と企業をマッチングしたり労働衛生管理をサポートしたりするサービスです。

産業医紹介サービスのメリットは、企業にあった産業医をスピーディーに紹介してくれる点です。単発アルバイトでの依頼や急な対応が可能なサービスも存在しているので、産業医の選任期限まで時間がない場合も、相談に応じてもらえる可能性があります。

Dr.健康経営では、厳選された経験豊富なプロの産業医をご紹介しております。産業医がいなくてお困りの企業は、ぜひお気軽にご相談ください。

地域産業保健センターを活用する

50人未満で産業医の選任義務がない事業所の場合は、地域産業保健センターを活用することも検討してみましょう。地域産業保健センターとは、小規模事業所を対象に無料で産業保健サービスを提供する機関です。

地域産業保健センターでは、具体的に次のようなサービスを提供しています。

    • ・従業員の健康管理に関する相談
    • ・長時間労働者や高ストレス者の面接と指導
    • ・健康診断結果に対する意見聴取
    • ・個別訪問や産業保健指導

地域産業保健センターのメリットは、このようなサービスを無料で受けられる点です。ただし、利用回数が限られている、同じ産業医に担当してもらえない可能性があるなどのデメリットに注意が必要です。

産業医がいない中小企業のリスク

中小企業が産業医を選任しないと、次のようなリスクが生じます。

    • ・罰則が科される
    • ・従業員の健康管理が行き届かない
    • ・健康診断やストレスチェック実施後の相談先がない
    • ・休職・復職の判断が難しい

健康管理や衛生管理を怠ることによって生じるリスクは非常に大きく、取り返しのつかない事態になる可能性をはらんでいます。

以下では、気をつけたいリスクの詳細を説明します。

罰則が科される

選任義務があるにもかかわらず産業医を選任しない場合は、罰則が科されるリスクに注意しなければいけません。

産業医の選任については労働安全衛生規則で定められており、違反した場合は50万円以下の罰金に処される可能性があります。

<労働安全衛生規則 第13条>
「産業医を選任すべき事由が発生した日から14日以内に選任すること」

“出典:厚生労働省産業医の関係法令」”

罰則が課された場合、企業は金銭的な損失を被るだけではなく、信用を失墜させてしまう可能性があります。従業員と企業の両方を守るためにも、産業医を選任して従業員の健康を管理する必要があるのです。

従業員の健康管理が行き届かない

従業員の健康管理が行き届かなくなる可能性があることも、産業医を選任しないリスクとして挙げられます。

従業員に健康上の問題が発生したとき、企業には適切な判断が求められます。産業医がいない企業の場合、従業員の健康問題を相談できる相手がおらず、誤った判断をしてしまうかもしれません。

人事・労務担当者が知識のないまま曖昧に判断し、その場しのぎの対応をすれば、しっかりと従業員の健康を管理することはできません。不適切な対応により、従業員からの信頼を損なう可能性だってあるでしょう。

健康診断やストレスチェックを実施することはもちろん、企業と従業員がともに安心して就業できる環境を整えることも、重要な健康管理のひとつです。日ごろから産業医と連携しながら従業員の健康管理・職場環境改善を行うことで、安全かつ安心して働ける職場を創り上げていくことが大切なのです。

健康診断やストレスチェック実施後の相談先がない

定期健康診断やストレスチェックについての相談先がないことも、産業医を選任しない企業が気をつけたいリスクです。

健康診断やストレスチェックを実施するときは、次のようにさまざまなシーンで産業医の力を借りる必要があります。

    • ・健康診断で異常の所見あった従業員に対する意見聴取と面接指導
    • ・面接を希望する高ストレス者に対する面接指導
    • ・定期健康診断結果報告書やストレスチェック報告書への記名 など

産業医がいない場合は、上記の業務を外部の医師に健康指導を依頼することになります。そのため、依頼先を探すところから始める必要が出てくるのです。

さらに、健康診断やストレスチェックの結果について意見聴取する際は、産業医に従業員の作業環境や労働時間などを細かく伝える必要があります。契約している産業医がいない場合、健康診断やストレスチェックの実施からその後の措置まで、全ての対応に時間と労力がかかることになります。

休職・復職の判断が難しい

休職・復職の判断が難しくなることも、産業医がいない企業が気をつけたいデメリットです。

休職や復職の判断をする際に、産業医面談などを実施することは法律で義務付けられていません。しかし産業医がいなければ、従業員の業務や職場環境に適した判断を下しにくくなるため注意が必要です。

産業医がいない場合は、主治医の意見書をもとに本人と企業が話し合って休職や復職を判断することになります。しかし、「業務内容や職場環境を知らない産業医」と「医療の知識を持たない企業」だけでは、現場に即した正しい判断を下すことは難しいものです。

過去には、パソコンがなければ業務を行えない従業員に対し、主治医が「パソコン作業を避ければ復職可能」と意見を述べた事例もあります。この状態で本当に復職可能といえるのか、疑問が残ります。

休職や復職の判断には、職場を熟知しつつ医療の知識も持っている産業医のサポートが欠かせません。このような主治医と企業の行き違いを防ぐためにも、間に立つ産業医という存在が必要なのです。

産業医がいない中小企業の相談先

そもそも、産業医はどこにいるのでしょうか。これから産業医を探したいと考えている中小企業におすすめの相談先として、以下の4つが挙げられます。

    • ・産業医紹介サービス
    • ・地域産業保健センター
    • ・地域の医師会
    • ・定期健康診断を依頼している医療機関

ここからは、各相談先の詳細をみていきましょう。

産業医紹介サービス

産業医紹介サービスは、文字通り産業医を紹介してくれるサービスです。企業規模や業種にあった産業医を紹介してくれるため、従業員の健康管理や職場環境改善をより効果的に実施できます。

定期的に企業を訪問したり健康指導してくれたりする産業医はもちろん、スポットで利用できる産業医を紹介してもらうことも可能です。

自社にあった産業医を確実に紹介してもらえるため、困ったときは真っ先に選択肢に入れてほしい相談先です。

地域産業保健センター

地域産業保健センターは、独立行政法人 労働者健康安全機構が運営する機関です。全国350カ所にあり、50人未満の小規模事業者にさまざまな産業保健を無料で提供しています。

地域産業保健センターでは、産業医の紹介も実施しています。無料の産業保健サービスを受けたいときだけではなく、産業医を探しているときも気軽に相談してみるとよいでしょう。

ただし、50人未満の小規模事業者が優先されるため、それ以外の企業は相談できない可能性があります。その場合は、他の相談先を利用してくださいね。

“参考:独立行政法人 労働者健康安全機構「産業保健総合支援センター(さんぽセンター)」

地域の医師会

事業所がある地域の医師会に相談し、対応が可能な産業医の紹介を受けるのもひとつの手です。地元で会員になっている産業医を紹介してもらえる可能性があります。

ただし、すべての医師会が産業医の紹介に応じているわけではありません。確実に産業医が見つかるわけではない点を理解しておきましょう。

定期健康診断を依頼している医療機関

一部の健診機関では産業医の紹介を行っているので、定期健康診断を依頼している医療機関に産業医を紹介してもらうことも可能です。毎年利用している健診機関であれば、交流があるため比較的相談しやすいかもしれません。

一気に健康診断と産業医の手配を済ませられるため、手間やコストの削減が望めます

ただし、産業医の紹介を行っていない医療機関も多いので、必ずしも相談に乗ってくれるわけではありません。健診機関はそもそも医師の数がそこまで多くないこともあり、自社の特性にあった医師を見つけることは難しいでしょう。

産業医とは?

産業医とは、企業で働く従業員の健康と安全を守るため、結構指導や助言を行う医師のことです。雇用形態にかかわらず、従業員が常時50人以上の事業所では産業医の選任義務が生じます。

産業医を選任して連携しながら従業員の健康管理を実施するためには、産業医についての知識を身につけておく必要があります。ここでは、産業医の概要をみていきましょう。

なお、産業医についてはこちらの記事でも詳しく解説しています。あわせてご覧ください。

産業医ができること・できないこと

産業医の役割や、産業医が事業所でできることは、法律上9つに分類されています。

産業医の職務(安衛則第14条第1項)

    • 1.健康診断の実施とその結果に基づく措置
    • 2.長時間労働者に対する面接指導・その結果に基づく措置
    • 3.ストレスチェックとストレスチェックにおける高ストレス者への面接指導その結果に基づく措置
    • 4.作業環境の維持管理
    • 5.作業管理
    • 6.上記以外の労働者の健康管理
    • 7.健康教育、健康相談、労働者の健康の保持増進のための措置
    • 8.衛生教育
    • 9.労働者の健康障害の原因の調査、再発防止のための措置

“出典:独立行政法人労働者健康安全機構中小企業事業者のために産業医ができること」”

産業医は、従業員の健康管理や病気予防のための健康教育だけでなく、職場の衛生環境の管理も行います。

反対に、産業医は一般的な医師(臨床医)が行う次のような業務を行うことができません。

    • ・病気やけがの診察や治療
    • ・けがの処置
    • ・薬の処方
    • ・診断書の作成

産業医は医師免許を持っていますが、「産業医」という立場では病気やけがの診察や治療、それに伴う処方や診断書の作成といった医療行為は行えません。職場と医療の知識をもった専門家としての助言や、受診の提案などを行うことが産業医の職務です。

医療行為は行えませんが、産業医は従業員の健康管理を総合的にサポートしてくれる心強い存在です。法律で定められた範囲内であれば、業種や企業の特性、事業規模などにあわせて柔軟に対応してもらえます。

産業医は会社とグル?

産業医は企業が選任するため、なかには「会社とグルだ」と思う従業員もいます。そのことを理由に、産業医のことをよく思わなかったり、産業医面談で本音を話せなかったりする従業員は珍しくありません。

このような従業員には、産業医は誰の味方でもないことを理解してもらう必要があります。

産業医は企業から報酬を受け取ってはいるものの、適切に責務を果たさずに従業員が健康を害したり労働災害が発生したりすれば、強く責任を追及されます。そのため、産業医はどちらかの味方になるのではなく、企業と従業員双方にとって最善となる判断を下す必要があるのです。

人事・労務などの管理者は、「産業医は誰の味方でもなく、中立の立場からアドバイスをくれる存在」であることをしっかりと説明しておくことが大切です。

中小企業が産業医を選任するメリット

産業医がいない企業に生じるデメリットを踏まえると、選任義務がない中小企業でも、産業医を選任するメリットは大きいといえます。

中小企業が産業医を選任すると、具体的に次のようなメリットが得られます。

    • ・従業員の健康管理を適切に行える
    • ・生産性やモチベーションがアップする
    • ・健康診断、ストレスチェックの事後措置を依頼できる
    • ・休職・復職に関する意見を求められる
    • ・ステークホルダーへのアピールになる

各メリットの詳細を説明します。

従業員の健康管理を適切に行える

産業医は事業所の現状をよく把握しているため、従業員の健康管理についてスムーズかつ適切な判断を下してくれます

産業医には、労働者の健康管理に加え、作業環境の維持管理や作業管理などについての相談も可能です。また、長期的に治療が必要な症状を持つ従業員に関して、就業と治療を両立するための支援についても助言をもらえます。

専門的な知識をもっていない管理者が、自己判断で従業員や職場に必要な措置を考えても、効果が発揮されず後々トラブルに発展してしまうリスクがあります。産業医という専門的な立場からの助言や判断にもとづいて健康管理を行うことで、本当に成果の出る施策が実施できるのです。

生産性やモチベーションがアップする

産業医のサポートにより健康リスクを低減できれば、従業員の生産性向上が望めます。

実際、横浜市と東京大学政策ビジョン研究センターが行った調査では、次のような事実が判明しています。

    • ・健康リスクが低い層と比べて、中程度の層は1.2倍も労働生産性損失が生じる
    • ・健康リスクが低い層と比べて、高程度の層は2.9倍も労働生産性損失が生じる
    • ・体調不良などに伴う従業員一人当たりの労働生産性損失は、推計年間76.6 万円

※労働生産性損失=アブセンティーイズムコスト+プレゼンティーイズムコスト
アブセンティーイズムコスト:従業員が病気・けがなどにより欠勤した日数
プレゼンティーイズムコスト:従業員が何らかの疾患や症状を抱えながら出勤し、業務遂行能力や生産性が低下している状態

“出典:横浜市「労働生産性損失は年間 76.6 万円(従業員一人当たり)!健康リスクと労働生産性損失の関係が明らかに!」

このように、健康リスクと生産性は深く関係していることがデータにより証明されています。産業医と連携しながら従業員の健康を促進できれば、企業はより多くの利益を得られるようになるでしょう。

また、健康かついきいきと働ける職場環境は従業員の帰属意識を高め、モチベーションの向上にも効果を発揮してくれます。前向きに業務へ取り組めるようになり、より企業に貢献するという好循環をもたらしてくれるでしょう。

健康診断、ストレスチェックの事後措置を依頼できる

健康診断やストレスチェックの結果によっては、医師による面接指導などの事後措置が必要となります。

事後措置を講じる際は、衛生委員会で調査や審議を行い、作業環境や職場環境を改善していく必要があります。この際、事業所や業務について熟知している産業医がいれば、スムーズに対処できるようになるでしょう。

産業医には、健康診断やストレスチェックにもとづいた就業の可否や、労働時間の短縮などの客観的な判断を仰げます。専門家に判断してもらうことで、従業員も安心して事後措置を任せられるようになるでしょう。

なお、従業員50人未満でストレスチェックが努力義務の事業所の場合は、事後措置について地域産業保健センターに相談することも可能です。ぜひ活用してみてください。

休職・復職に関する意見を求められる

休職や復職に関する意見を求められる点も、産業医を選任するメリットです。企業は、産業医に休職や復職の判断、治療と就業を両立するために必要な措置の意見を求めることができます。

とくに復職の際は、専門家による慎重な判断が不可欠です。復職を急いでしまうと、さらに従業員の健康を害する結果になってしまうおそれがあるためです。

復職の際は、就業場所の変更や労働時間の短縮など、従業員が適切に復職できるよう、専門的な立場から判断してもらいましょう。再度の休職を防ぐためにも、復職直後だけでなく、その後の労働環境や衛生環境についても産業医と相談しながら調整することが大切です。

ステークホルダーへのアピールになる

産業医の選任は、従業員や株主、地域、求職者など幅広いステークホルダーへのアピールになります。

過労死問題の発生や健康経営への注目度向上など、近年企業における従業員の健康管理は社会的な課題となりつつあります。逆をいうと、従業員の健康や快適な職場環境への積極的な取り組みは、企業の大きなアピールポイントとなり得るということです。

従業員ファーストの企業であることが知られれば、求人応募の増加や株価向上、企業イメージの向上など多くのメリットが得られます。

中小企業が産業医を選任するときのポイント

中小企業が産業医を選任するときは、2つのポイントを押さえておく必要があります。

最後に、産業医選任を成功させるためのコツをみておきましょう。

実績や経験を重要視する

産業医を選任するときは、実績や経験を重要視してください。多くの経験を積んだ産業医に依頼したほうが、課題に応じた柔軟な判断を下してもらいやすいためです。

従業員や職場が抱えている問題は、企業によってさまざまです。そのため、「こうすれば問題が解決する」という明確な答えはありません。だからこそ、豊富な知識や積み上げてきたノウハウが重要となるのです。

健康管理や職場環境改善の実績が豊富な産業医であれば、一社一社に最適な解決策を導き出してくれます。

得意分野を確認する

産業医には、それぞれ得意分野があります。企業は、得意分野が自社のニーズとマッチしている産業医を選任することが大切です。

「製造業の実績が多い産業医」「メンタルヘルスが得意な産業医」「中小企業の健康経営に強い産業医」など、さまざまな強みをもった産業医がいます。より自社の課題や業種にあった産業医を選べれば、スピーディーかつ効率的に高い成果を得られるでしょう。

まとめ

中小企業であっても、従業員の数によっては産業医の選任義務が生じることがあります。常時50人以上の事業所は、産業医を選任しないと罰則が科されるおそれがあるため注意が必要です。

産業医の選任義務がない事業所でも、産業医を選任すれば従業員の健康管理や企業の信頼性を高める効果が得られます。メリットが豊富な産業医を、ぜひご活用ください。

産業医を選任するときは、ある程度のコストがかかります。予算の問題で産業医の選任が難しい場合は、スポットで依頼する方法もおすすめです。

Dr.健康経営では、健康経営を熟知したプロの産業医を紹介しております。定期訪問プランからスポットプランまで幅広いニーズに対応可能なので、産業医でお困りの企業はお気軽にご相談ください。

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鈴木 健太
監修者
鈴木 健太
医師/産業医

2016年筑波大学医学部卒業。
在学中にKinesiology, Arizona State University留学。
国立国際医療研究センターでの勤務と同時に、産業医として多くの企業を担当。
2019年、産業医サービスを事業展開する「株式会社Dr.健康経営」を設立、取締役。

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