メンタルヘルス・ストレスチェック
メンタルが弱い人は甘えなのか?メンタルが弱い人の特徴や上手な付き合い方を解説
メンタルが弱いということは、甘えではありません。メンタルの強さや弱さは、生まれながらに決まっていることもあれば、幼少期の環境や、社会経験で決まることもあります。
例えば、子どもの頃に親から否定されてばかり育った人や、社会人で仕事上の成功体験が乏しい人はメンタルが弱いことが多いでしょう。
しかし、メンタルが弱い人を見かけると甘えと捉えてしまいがちなのが一般的です。
そこで、本記事では「メンタルが弱い人の特徴」「メンタルが甘えではない理由」を解説します。
また、記事の後半ではメンタルが弱い人との付き合い方も紹介していますので、メンタルが弱い従業員と良好な関係を築き、円滑に仕事を進められるよう適切な知識を身につけましょう。
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目次
メンタルが弱い人の特徴は?
メンタルが弱い人には、いくつか共通の特徴があります。あらかじめ特徴を知っておくことで、気持ち的に余裕を持って接することができるでしょう。1つずつ解説していきます。
他者評価が気になる
メンタルが弱い人は周りと自分を比べる傾向にあります。もちろん、仕事をする上で自己評価ばかりではスキルアップにつながりません。
しかし、メンタルが弱い人は、「他人からどう思われているのか?」と、いわゆる他者評価を非常に気にしてしまうケースが多いです。
他者評価が気になる原因は、承認欲求のせいです。承認欲求とは、人間誰しもが持っている「人に認められたい」と思う感情なので、決して恥ずかしいことではありません。しかし、メンタルが弱い人ほど承認欲求が強くなりがちなので、他者評価が気になります。
例えば、メンタルが弱い社員が上司から仕事の改善点を指摘された場合、指摘されたことだけが頭の中を循環していまいます。そして、「なんて私は使えない人間なんだ」「自分は劣っている」と落ち込みやすくなります。
自己否定的
メンタルが弱い人は、自分を認めてあげることが苦手なため自己否定的な人が多い傾向にあります。
- ・幼少期に親に褒めてもらった経験が乏しい
- ・仕事で大きな失敗をして挫折した経験がある
など、自分はダメな人間だと思ってしまう過去を持っていると自己否定感が出やすくなります。そのため、新しいことへの挑戦や困難な状況に立ち向かう際は円滑に進められず難しい場合が多くなるかもしれません。
完璧主義
メンタルが弱い人は、細かいところまで気にしすぎる性格の人が多いため、完璧主義の傾向にあります。もちろん、仕事をする上でミスなく作業を遂行することは重要です。
しかし、何事も度が過ぎるほど神経質になってしまうと、うまくいかなかったときの反動が大きく落ち込む原因にもなりかねません。また、気にしなくてもいい所まで気になり始めると、ストレスの原因になり精神的に衰弱してしまいます。
悲観的
メンタルが弱い人は、自分を認めてあげることが苦手なため、悲観的になる場合が多いです。メンタルが強い人の場合、自分より優れている人を見ると、以下のように前向きな感情が湧いてくるでしょう。
- ・優れているところを自分に取り入れてスキルアップしてやろう
- ・追い抜けるように自分に足りないものを分析してみよう
- ・優れているところを自分に取り入れてスキルアップしてやろう
しかし、メンタルが弱い人の場合は、以下のように悲観的な感情になってしまいがちです。
- ・優れた能力が妬ましい
- ・なぜ自分はこんなにもできないんだ
- ・自分は劣っている
そのような部下や同僚がいる場合は、まず認めてあげることを意識しましょう。
気持ちの切り替えが苦手
メンタルが弱い人は一度落ち込むと、立ち直るまで時間がかかる傾向が強いです。「他人に指摘されたこと」や「自分ができなかった部分」を気にしすぎてしまい、自分を責めてしまう方向に考えが進みがちだからです。
メンタルに強い人の場合なら、解決するための準備をしたり前向きに時間を使うでしょう。
しかし、メンタルが弱い人は堂々巡りのようにくよくよ悩む時間が多く、気持ちを切り替えるのが苦手です。そのため、励まし、認めてあげて気持ちの切り替えがスムーズにできるようサポートしましょう。
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メンタルが弱い人が甘え?勘違いされる訳
メンタルが弱いことは個人の特徴なので、決して悪いことではありません。それでは、なぜ世間一般的にメンタル弱い人は「甘え」だと、悪いイメージがもたれているのでしょうか?
身体が動かなくなる
メンタルが弱い人は、特徴の部分で説明したように気持ちの切り替えが苦手です。そのため、一度精神的に落ちてしまうと、すべてに対してやる気がなくなってしまい、活動停止に陥りがちになります。
そして周囲の人が、身体が動かなくなっている様子を見ると「なぜ解決策を模索しないでダラダラしているんだ。」「サボってないで仕事したらどうだ。」など、甘えとして見えてしまうのです。
メンタルが弱い人は、言葉や態度によるストレスを受けると、自分に対して否定的になりやすく、また前向きな状態になるまで時間がかかります。
そのため、身体が動かなくなるのは決して甘えではなく、前向きな状態になる準備運動だと認識してもらうほうがいいのかもしれません。
ストレスがないと元気
メンタルが弱い人は、ストレスがないと「できない自分」を認識する機会が少なくなるため元気な状態が多い傾向にあります。
例えば、仕事で落ち込む日があり憂鬱な顔をしていたとしても、自分の中で整理し気持ちが立ち直れば元気になります。
周りから見れば「落ち込んでいるのかと思えば、すぐに元気になる」という風にうつってしまうこともあるため、ただの「甘え」ではないのか?と勘違いされるのです。
しかし、メンタルが弱い人がストレスに非常に弱いことを認識していれば、甘えではないことを理解できるはずです。
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メンタルが弱い人が甘えではない理由
メンタルが弱い人は甘えではなく、性格や気質の1つです。もともとメンタルが弱い人もいれば、何かしら原因があってメンタルが弱くなった人もいます。メンタルが弱くなってしまう原因とともに、メンタルが甘えではない理由を解説します。
疲労の蓄積
人は疲労が蓄積すると心に受けるダメージが大きくなります。
例えば、疲労があまり蓄積していない場合は、上司から嫌なことを言われたり、仕事でうまくいかないことがあっても、ほとんどの人は翌日には忘れることが多いでしょう。
しかし、連日の徹夜仕事、休みもなく働いているなど、疲労が蓄積されやすい状態に入ると精神的に受けるダメージが通常より大きくなりがちです。
そのためメンタルが弱くなり「やる気がなくなる」「動けなくなる」などの身体的不調をきたします。そして周囲からは「甘え」とうつるようになるのです。
過ごしてきた環境
親からどのように育てられてきたか、社会人になって上司にどんな言葉をかけられて仕事をしてきたかで、メンタルの弱さが作られることがあります。
例えば、以下のような状態が続くと、「自分はできない人間だ」と思い込むようになり次第に、自己否定感が強い心になってしまいます。
- ・周りと比べられた
- ・努力を認めてもらえなかった
- ・いつも否定される
育ってきた環境や、過ごしてきた環境は、その人のメンタル基盤を作ります。それによって、本人も知らず知らずのうちにメンタルが弱くなるため、決して「甘え」ではありません。
経験
「一生懸命勉強したのに志望校に合格できなかった」「大事なプレゼンに失敗してしまった」など、人には一度や二度、挫折した経験があることでしょう。
過去の失敗を何度も繰り返し思い出してしまうと、自分への自信がどんどんなくなり、メンタルが弱くなる原因になります。
人間の脳は、強烈な感情とともに出来事を記憶する特徴があります。そのため、失敗したときに味わった絶望感が大きいほど、嫌な感情を繰り返し思い出してしまいます。
過去の失敗を繰り返し思い出すと「自分にはできない」と弱腰になり、次第にメンタルが弱い状態になっていくでしょう。
気質
メンタルの強さや弱さが、生まれ持った気質であることも十分に考えられます。人間はみんな同じように生まれるわけではありません。1人1人遺伝子が違うため、様々な人が存在します。
例えば、HSP(エイチ・エス・ピー)の性質を持つ人は、環境や性格などの後天的なものではなく、先天的に非常に感受性が強く敏感な気質をもちます。
自分のことよりも、相手のことを優先する特徴があるため、些細なことでも「自分が悪いのではないか」と、自分を責め悪い方向に考えが及んでしまう傾向にあります。そのため、他人の言動で情緒が左右されやすくメンタルは弱くなります。
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メンタルが弱い人への対処法
メンタルが弱い人は、自己否定感が強く自分に自信がない人が多いです。メンタルが弱い人と接するときは、良いところを見つけるよう意識しネガティブな態度や声かけを極力控えるようにしましょう。
声かけを意識
先述しましたが、メンタルが弱い人は自己否定感が強いという特徴があります。
したがって、「あなたは〇〇だからできないんだよ!」「何度も同じミスを繰り返さないでください!」など、否定的な声かけはやめましょう。
なぜなら、メンタルが弱い人が否定的な声かけをされると、まるで自分自身を全否定されたような気持ちに陥ってしまうからです。
また、叱って伸ばそうとするのもNGです。
もちろん、人によっては、叱られることで悔しい、次は頑張ろうと奮い立つ人もいます。しかし、メンタルが弱い人は自分が否定されたと萎縮し、さらにミスを重ねるようになる傾向にあります。
良かったところ、以前と比べて成長したところに着目し肯定的な声かけを意識するようにしましょう。
責めない
メンタルが弱い人は、必要以上に追い込まれやすいです。そのため、責められるとさらに追い込まれていき、立ち直るのに時間がかかります。
「どうして、こんな簡単なこともできないの?」「なぜ、こんなミスをしたの?」というように「どうして」「なぜ」と否定的な言葉の組み合わせは、さらに精神的な追い打ちをかけます。
メンタルが弱い人は、完璧主義で真面目な人が多いので責めなくても本人は十分に反省しています。例え失敗したとしても、できる限り責めることは避けましょう。
そして、ミスをしないための具体策を一緒に考えてあげると良いでしょう。
急かさない
メンタルが弱い人は、パニックになりやすいので急かさないよう注意しましょう。
「早く〇〇の仕事終わらせろ!」「まだ〇〇の準備できてないのか?急げ!」など、激しい口調で急かされると、さらにパニックに陥りミスも増えやすくなります。
急いでほしいときは、以下の点に気を付けてメンタルが弱い人が落ち着いて淡々と行動できるように誘導してあげましょう。
- ・具体的な時間を伝える
- ・激しい口調で言わない
- ・行動を順番に1つずつ促していく
急かしてミスが増え業務に支障をきたすリスクを考えると、ゆったり構える方が効率的です。
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まとめ
メンタルが弱い人は決して「甘え」ではありません。幼少期の環境、社会に出てからの経験などが原因でメンタルが弱くなってしまうことが多いです。
生まれながらにメンタルが強い人は、落ち込む気持ちがなかなか理解できない人もいるでしょう。
しかし、メンタルが弱い人は条件反射のように自分を責め、完璧であることを望み、他人と自分を比較して疲弊する特徴があります。
同僚や部下に、メンタルが弱い人がいたらできる限り寄り添う努力をしましょう。責める、急かす、誰かと比較する行為は、ミスを増やし業務に支障をきたす可能性が高いです。
もし、事業主本人のメンタルが弱く悩んでいる人や、メンタルが弱い従業員との関わり合いに悩んでいる人は、ぜひ産業医の導入を検討してみてください。
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