産業保健・健康管理

衛生管理者の届出とは?必要書類や期限、記入例まで解説【人事・労務向け】

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更新日:2023.07.19

衛生管理者を選任した後、担当者の方は「選任の届出は必要なの?」「必要ならいつまでに届出をしなければいけないの?」と心配になるのではないでしょうか。

実は、衛生管理者の選任後、一定期間内に届出をしないと罰則を受ける可能性もあります。

この記事では、衛生管理者に届出が必要か、届出期限と書類の作成者、提出先を紹介します。衛生管理者選任の届出の記入例についても説明しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

衛生管理者を選任したら届出が必要

衛生管理者を選任した場合、原則届出が必要です。

まずは、衛生管理者選任の届出期限と書類の作成者・提出先を紹介します。

衛生管理者選任の届出期限

衛生管理者の届出は、選任事由が発生してから14日以内です。

選任事由とは、事業場における常時使用する労働者数が50人以上となった場合や、前任の衛生管理者が離職した場合など、あらたに衛生管理者を置く必要が生じたことを指します。

ただし、次の衛生管理者を選任するのに時間がかかるケースでは、所轄の都道府県労働局長へ申請すれば一定期間は選任が免除されます。

衛生管理者選任の届けの作成者と提出先

一般的に、衛生管理者選任の届出は人事総務の担当者が書類を作成して、所轄の労働基準監督署へ提出します。

作成・提出するのは、厚生労働省のホームページから入手できる「総括安全衛生管理者・安全管理者・衛生管理者・産業医選任報告様式」です。届出書類の提出方法については、次項から詳しく解説します。

衛生管理者選任の届出を提出する手順

衛生管理者を選任する必要が生じたら、必要書類を準備して所轄の労働基準監督署に提出します。

ここでは、届出書類の準備から記入、提出までを説明します。

1.書式をダウンロードする

まず厚生労働省のホームページから、「総括安全衛生管理者・安全管理者・衛生管理者・産業医選任報告様式」をダウンロードし、プリントアウトしましょう。

提出した書類は専用の機械で読み取るため、プリントアウトする際は白色度80%以上の用紙を使用する必要があります。

また、プリントアウトした用紙をさらにコピーして提出することも避けましょう。

2.必要事項を記入する

プリントアウトした書類に、必要事項を記入します。記入が必要な項目は、以下のとおりです。

  • ・労働保険番号
  • ・事業場の名称
  • ・事業の種類
  • ・事業場の所在地
  • ・労働者数
  • ・電話番号
  • ・選任された衛生管理者の名前・生年月日
  • ・選任された年月日
  • ・担当する職務
  • ・前任の衛生管理者の名前・解任の年月日

衛生管理者選任の届出書類の記入例は、次項で紹介するので参考にしてみてください。

3.事業場を管轄している労働基準監督署に提出する

届出書類を作成したら、すみやかに事業場を管轄する労働基準監督署に提出します。提出する方法は、窓口への持ち込みか郵送です。

事業場を管轄する労働基準監督署は、「都道府県労働局(労働基準監督署、公共職業安定所)所在地一覧」で住所を確認できます。

衛生管理者選任届の記入例

では、実際に衛生管理者選任の届出書類を記入していきましょう。

総括安全衛生管理者・安全管理者・衛生管理者・産業医選任報告

まず1つ目の太枠内に、事業場情報を記入します。記入するのは、労働保険番号・事業場の名称と種類・所在地・労働者数です。

労働保険番号を入力しないと、インターネット上で利用できる入力支援サービスはエラーとなってしまいます。そのため、労働保険番号がない場合は書類をダウンロードのうえ、必要事項を記入して郵送または窓口に持ち込みましょう。

2つ目の太枠には、選任する衛生管理者の情報を記入します。氏名・生年月日・選任した年月日が必要です。また、担当すべき職務には「衛生管理一般に関すること」と書きます。専属なのか兼職なのかも忘れず選択しましょう。

3つ目の太枠では、前任の衛生管理者がいる場合に記入する部分です。前任者の氏名や辞任・解任の年月日を記載する必要があります。最後に、枠外に届出の年月日と所轄の労働基準監督署名、事業者職の氏名を記載して完成です。

衛生管理者の届出に関するQ&A

「産業医の賠償責任保険について徹底解説!特徴や要件、具体的なケースとは」

届出は毎年必要?

衛生管理者選任の届出は、毎年必要なものではありません。衛生管理者を選任したときや変更したときに必要な届出です。

電子申請はできる?

届出書類の作成は、インターネット上で作成できます。しかし、作成した書類をそのまま電子申請することはできません。

インターネット上で作成した書類は、プリントアウトしたうえで所轄の労働基準監督署へ郵送か直接窓口で提出する必要があります。

届出内容に変更があった場合はどうする?

衛生管理者の変更により選任の届出内容が変わるときは、変更の届出が必要です。あらたに選任の届出をするときと同様に、「総括安全衛生管理者・安全管理者・衛生管理者・産業医選任報告様式」を提出します。

衛生管理者を変更したい!手続きや必要書類、変更届の期限を解説

届け出をしなかったときの罰則は?

もし、衛生管理者の選任が必要なのに届出しなかった場合は、労働安全衛生法違反として、是正勧告もしくは50万円以下の罰則が科されます。

衛生管理者を選任しなかった場合に罰則規定はある?罰則例も解説

まとめ

衛生管理者の選任事由が発生した場合は、14日以内に選任の届出が必要です。選任が必要なのに、届出が滞った場合は是正勧告され、それにも従わないと50万円以下の罰金が科せられます。

そのため、衛生管理者の選任はすみやかにおこないましょう。

ただし、前任者の離職により一定の理由があるケースでは、一定期間の選任を免除されることもあります。事情により選任が遅れる場合は、所轄の労働基準監督署へ相談しましょう。

 

また、従業員が50名を超えた場合に必要な手続きは衛生管理者の選任以外にも複数ございます。

従業員50人以上の事業場における義務とは?産業医の選任が必要?

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鈴木 健太
監修者
鈴木 健太
医師/産業医

2016年筑波大学医学部卒業。
在学中にKinesiology, Arizona State University留学。
国立国際医療研究センターでの勤務と同時に、産業医として多くの企業を担当。
2019年、産業医サービスを事業展開する「株式会社Dr.健康経営」を設立、取締役。

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