メンタルヘルス・ストレスチェック
ストレスチェックの案内文作成のポイントは?記載例文も紹介
ストレスチェックの実施は法的に定められた企業の義務であり、適切に行えば従業員のメンタルヘルス管理や職場環境の改善に役立てられます。しかし、ストレスチェックの意義や重要性を従業員にきちんと伝えられなければ、受検率を上昇させることはできません。
本記事ではストレスチェックの実施を周知するための案内文の作成のポイントを解説します。ストレスチェックの案内文の例も掲載しているので、ぜひ参考にしてください。
目次
ストレスチェック案内文の作成ポイント
ストレスチェックの案内文の作成ポイントは下記の6つです。
- ・実施目的を明らかにすること
- ・実施期間や受検方法を記載すること
- ・個人情報の取り扱いについて明記すること
- ・分析結果は報告書に使用することを明記すること
- ・従業員が見やすい周知方法を採用すること
それぞれについて次で解説します。
ストレスチェックについて詳しくは下記の記事も参考にしてください。
ストレスチェック制度とは?義務化の背景や労働者への対応・手順や費用など詳しく解説
実施する目的を明らかにする
ストレスチェックの案内文を作成する際は、従業員に対して実施目的を明確に示すことがポイントです。ストレスチェックの大きな目的はメンタルヘルス不調の一次予防であり、実施結果から就労環境を分析して働きやすい職場を作るための制度でもあります。
ストレスチェックが労働安全衛生法に基づいて義務付けられた大切な検査であることも従業員に周知することが大切です。メンタルケアや職場環境改善にストレスチェックが役立つことを伝えられれば、より前向きにストレスチェックを受検する従業員が増えるでしょう。
実施期間・受検方法について記載する
ストレスチェックの実施期間や受検方法、所要時間や業務の一つとみなされるのかなど、具体的な内容を案内文に記載することも大切です。実施期間や受検方法が明確にされていなければ業務との兼ね合いなどを検討することが難しく、ストレスチェックの受検が煩わしく感じられる従業員もいるでしょう。具体的な日時、場所などをきちんと案内文に示すことによって、ストレスチェックの受検者に対する心理的ハードルを下げることが可能です。
個人情報の取り扱いについて明記する
ストレスチェックを実施する際の個人情報の取り扱いについては、案内文に記載すべき重要なポイントです。個人情報の取り扱いについて明記されていないと、不信感をもった従業員が受検を拒否することも考えられます。
案内文にはストレスチェックで収集されたデータの利用方法を明確に記載し、検査結果によって従業員が解雇や異動などの不利益を被ることがない旨や、本人が同意しない限り検査結果が企業側に伝えられることがない旨などを明示します。あわせて個人情報の取り扱いが厳守されることや相談窓口の連絡先なども記載することがポイントです。
ストレスチェックの実施結果は従業員にとってセンシティブな情報です。個人情報の取り扱いについて事前にはっきりと示すことで、従業員が安心してストレスチェックを受けやすくなるでしょう。
分析結果は報告書作成に使用することを明記する
ストレスチェックの実施結果を元に報告書を作成する場合、検査結果を集団分析や報告書作成に活用することを、あらかじめ案内文に明記しておくことが大切です。回答者のデータは匿名化され、個人が特定されないように処理した上で使用されることも記載しておきましょう。
ストレスチェックの受検者が少なく、分析対象が少人数の場合は個人を特定してしまう可能性が高いため、集団分析や報告書作成を行うには本人の同意が必要です。ストレスチェックの集団分析は組織全体のメンタルヘルス状況を把握可能にするため、職場改善に役立ちます。
ストレスチェック集団分析について詳しくは下記の記事も参考にしてください。
ストレスチェック集団分析とはどんなもの?ストレス判定図の見方や活用方法を解説
従業員が見やすい周知方法にする
ストレスチェックの案内文を周知する際は、対象従業員が案内文をすぐに確認できるような配布・掲示方法を採用することが大切です。例えばメールで一括送信したり、紙面を配布したり社内のイントラネットを活用したりなど、従業員が業務において日々アクセスするページに掲示する方法などがあります。
案内文は管理職や経営陣にも説明する
ストレスチェックは、従業員だけでなく管理職や経営陣も対象です。案内文は管理職や経営陣にも知らせるようにしましょう。
また、管理職や経営陣へのストレスチェックの概要や目的を説明する際は、実施結果が人事考課等には使用されないことなども伝えておきましょう。ストレスチェックは法律で義務付けられた制度であることや、実施するメリットについても説明が必要です。
ストレスチェックが企業の生産性向上につながることや、法的に義務付けられた大切な検査であることを管理職や経営陣に理解してもらうことも大切です。管理職や経営陣がストレスチェックに対して、共通の認識を持ち、きちんと理解を得ることができれば、一般の従業員がストレスチェックを受検する際にも、従業員全体が検査を受けやすくなります。
【記載例文】ストレスチェックの案内文
下記はストレスチェックの案内文の一例です。
○○株式会社○○事業場の皆様
平素より健康・衛生管理施策にご協力いただき誠にありがとうございます。
セルフケアのさらなる充実、および快適な職場整備を目的に労働安全衛生法に基づきストレスチェックを実施します。
ご多忙の中恐縮ではありますが、受検をお願い致します。
・対象者 :20○○年○○月○○日時点で就業している社員
・実施期間:20○○年○○月○○日~○○月○○日
・実施方法:原則Web にて実施
利用者ガイドを参照下さい。
*マークシート回答の方 : 後日、個人結果表を社内便で送付
・質問数 :○○問 所要時間:約○○分(就業時間の取扱いとなります)
・結果の取り扱いについて
ストレスチェックの結果につきまして、外部や内部(上司・人事部門等)に漏れることは一切ありません。
個人の健康管理を目的として産業医・保健師のみが確認し、必要に応じて面接推奨のご連絡を個別に差し上げます。
また、ストレスチェックの結果は匿名処理の上、集団分析および報告書作成に使用されます。
ご不明な点がありましたら○○(内線)まで、お気軽にご連絡下さい。
以上、よろしくお願い致します。」
まとめ
ストレスチェックの受検率を上昇させるためには、適切で分かりやすい案内文を作成することが大切です。実施目的や期間、方法、個人情報の取り扱いなどが明示された案内文を従業員や管理職、経営陣にまで伝わる方法で周知しましょう。
また、ストレスチェックの案内~実施はプロに任せることができます。Dr.健康経営はメンタルケアに強い産業医サービスであり、ストレスチェックのサポート「ストレポ」を提供しています。ストレポでは検査の実施から高ストレス者の医師面談、集団分析レポート作成まで、全面的なサポートが可能です。ストレスチェックについてお悩みの方はぜひご相談ください。
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