産業医って何をしてくれるの?産業医が必ず行う5つの役割。

日付2021.06.01
更新日:2021.12.24
産業医って何をしてくれるの?産業医が必ず行う5つの役割。

産業医の主な役割は5つ!

50名以上の事業所では、産業医を選任する必要があります。
では、産業医は企業に対して何をしてくれるのでしょうか?
ここでは分かりやすく、産業医が必ず行う5つの役割を解説します。

① 安全/衛生委員会への出席

50名以上の事業所では、毎月1回の衛生委員会を開催する必要があります。衛生委員会とは、従業員が安心・安全に働くために、健康管理に関する調査審議を行うことです。(「衛生委員会」または「安全委員会」、合わせて「安全衛生委員会」とも呼ぶ場合もあります。)
産業医が企業へ訪問する際は、この衛生委員会に参加してもらいます。また企業は、衛生委員会を開催するごとに議事録を作成・保存する必要があります。この議事録へ、産業医から署名/サインしてもらいましょう。
また、衛生委員会において、産業医から健康講話をしてもらうとよいです。健康講話とは、季節や社会情勢、会社の健康課題に合わせて、様々な健康に関する情報提供をしてもらうことです。健康講話は、企業に義務付けられているわけではありませんが、従業員の健康の意識つくりにむけて、可能な限り行ってもらいましょう。

② 職場巡視

50名以上の事業所では、産業医が月に1回以上の職場巡視(条件を満たせば2カ月に1回以上)を行う必要があります。職場巡視とは、産業医が従業員の作業や職場環境を実際に見てまわり、健康や安全が損なわれるリスクがないかチェックすることです。
通常は、職場巡視チェックシートを使用して、産業医と企業の担当者(衛生管理者)が見るポイントを共有しながら、一緒に職場を巡視していきます。
企業の担当者(衛生管理者)は、産業医と共に、どのようなポイントを見ていくか、産業医と共に誰が巡視するか、どのような順序で巡視するか(特に、一度で全部重視できない場合はどのように全体のチェックをしていくか)などを話し合っておきましょう。

③ 健康診断の判定、労基署の報告書

企業では、少なくとも毎年1回の健康診断を行います。健康診断の結果が返却されたら、産業医が1人1人の結果判定を行う必要があります。結果に応じて、産業医面談を行い、従業員の健康指導、受診勧奨や病院の紹介、就業制限などを行います。
また、労働基準監督署へ提出する報告書には、産業医による署名/サインが必要です。

④ ストレスチェック実施者、高ストレス者面談、労基署の報告書

50名以上の事業所では、年に1回、ストレスチェックを実施する必要があります。ストレスチェックを実施するにあたって、産業医が「ストレスチェック実施者」という責任者を担当するケースが多いです(医師や保健師でも担当可能です)。
実施後は、ストレスチェック結果や集団分析結果の確認と、高ストレス者への医師面談(高ストレス者判定となり、かつ面談を希望する従業員に対する医師面談)を行います。
こちらも、労働基準監督署へ提出する報告書には、産業医による署名/サインが必要です。

⑤ 長時間労働者面談

長時間労働者(以下)へは、医師による面談が義務付けられています。
・時間外労働が100時間を超える従業員
・時間外労働が80時間を超え、かつ本人から面談の申し出がある従業員
長時間労働者面談を行い、健康状態やストレスの度合いを確認します。

※これら5つの役割は、あくまで一般的な産業医業務であり、産業医は働く人の健康問題を幅広くサポートしています。

産業医面談が必要になるケース

産業医による従業員の面談は、前述の「健康診断の判定結果による面談」「ストレスチェックにおける高ストレス者に対する面談」「長時間労働者に対する面談」の他にも必要になってくるケースがあります。
産業医面談が必要となる場合は、前述と合わせて主に6種類があります。

1 健康診断の判定結果による面談
2 ストレスチェックにおける高ストレス者に対する面談(法定面談)
3 長時間労働者に対する面談(法定面談)
4 メンタルヘルス不調者に対する面談
5 休職復職者に対する面談
6 身体疾患を持つ従業員に対する面談

嘱託産業医に依頼する際の注意点

嘱託産業医に依頼している場合は、以下の点に注意して、毎月の取り組みを行っていきましょう。

【衛生委員会の開催日の決め方】

安全/衛生委員会は、人事総務を中心とした複数のメンバーが出席します。また、産業医が訪問する際には、衛生委員会、職場巡視、従業員への産業医面談などを行っていくため、産業医と企業の担当者の間で、開催日程の調整をしましょう。

【産業医面談に必要な時間を確認し、訪問当日の流れを調整する】

産業医面談は、長時間労働者やメンタル不調者の人数に応じて、毎月の面談人数が変化します。
特に、嘱託産業医は訪問時間が限られるため、訪問当日の流れや時間配分についても事前に相談しておきましょう。面談人数が多い場合は、訪問時間を延長したり、翌月に面談を繰り越すなど、産業医と相談の上で調整をするとよいでしょう。

【2カ月に1回の産業医訪問の場合】

産業医による職場巡視は、今までは月に1回以上が必要でした。
平成29年6月に施行された法改正により、企業から産業医に所定の情報を提供する場合には、産業医の職場巡視を2カ月に1回以上にすることが可能になりました。
2カ月に1回の産業医訪問の場合は、産業医が訪問していない月に、企業の衛生管理者による職場巡視の結果や長時間労働者の情報など、所定の情報を産業医に共有できるように準備しましょう。
初めて取り組む企業においては、産業医が訪問しない月に、なにをどのように情報提供したらいいか難しいこともあるでしょう。Dr.健康経営が提供するテンプレートを使用することで、初めての企業様でも、負担なく必要な内容を作成することができます。

※Dr.健康経営が提供するテンプレートはこちら

・産業医未訪問月に企業が提供すべき情報のチェックリスト

産業医業務について、産業医への相談に困ったときは

産業医の業務に関する質問や、産業医への相談でお困りの企業担当者の方のために、Dr.健康経営では「質問箱」を設置しています。
経験豊富な産業医チームがアドバイスしております。お気軽にご相談ください。

Dr.健康経営 質問箱 : https://forms.gle/udSnE8AkGHp4oNbZ7
※質問箱への質問は5営業日以内に回答いたします。
※よくある質問にはコラムやマニュアルで説明していますので、そちらもご参照ください。

鈴木 健太
監修者
鈴木 健太(すずき けんた)
代表取締役/医師・産業医

1989年、東京都国立市出身。2009年、筑波大学医学部へ入学。
在学中にKinesiology, Arizona State Universityへ留学し、医学・経済学・人文学等を学ぶ。
卒後は国立国際医療研究センターで勤務医として働く。
予防医療の重要性に気づき、帝京大学公衆衛生大学院で健康経営を研究しつつ、産業医として多くの企業を担当する。