休職から復職までに必要な産業医面談4つを解説!

日付2021.07.29
更新日:2022.04.25
休職から復職までに必要な産業医面談4つを解説!

休職・復職のときに必要な面談は4つ!

休職・復職面談は、適切なタイミングや頻度で産業医面談を行うことが大切です。
面談のタイミングは以下の4つがあります。

① 休職時の面談・・・休職開始前後に行う。
② 休職中の面談・・・月1回程度(症状の改善に応じて2カ月~半年に1回)行う。
③ 復職判定面談・・・復職前に行う。
④ 復職後フォロー面談・・・月1回程度(症状の改善に応じて2カ月〜半年に1回)行う。

特に③の「復職判定面談」は重要で、症状の改善だけでなく、業務が行える能力が回復しているかどうか、会社の復職に関する基準、本人や会社の意向などを踏まえて総合的に産業医に判断してもらう必要があります。復職後に再び体調が悪くなって再休職になってしまう例では、復職判断が適切でなかったケースが多くみられます。(詳しくは「職場復帰支援における、復職プロセスと復帰判断のポイント」参照。)

ここでは、この4つの面談別にポイントを解説していきます。

適切な産業医面談をどう行えば良いかお困りの方は、お気軽にDr.健康経営までご相談ください

① 休職時の面談について

「休職時の面談」が必要な理由は、以下の3つが挙げられます。

1. 休職措置が適正であるかを判断するため
本人からの休職願いが提出された場合や、本人が主治医の診断書を持参した場合でも、その内容を鵜呑みにせずに、産業医に医療的観点で休職が必要かどうかを正しく判断してもらう必要があります。会社の休職決定の判断材料として、産業医の意見はとても頼りになるものです。

2. 休職開始時の本人の状態を正しく把握しておくため
「復職判定面談」を実施する際に、休職開始時と比較しどれだけ症状が回復しているかも判断の大きなポイントとなります。会社としても休職時の本人の状態を正しく把握し、正しく復職判断ができるようしましょう。

3. 今後の会社や産業医との関わり方や方針などを伝えるため
休職に関する手続きなどは原則会社から本人へ伝えることとなりますが、休職中の産業医面談の有無や頻度、休職中の生活リズムや考え方についての健康指導など、内容的に産業医から伝えたほうがいいものに関しては、産業医から本人に説明してもらいましょう。

「休職時の面談」のタイミング

休職開始となるパターンによって、面談のタイミングが異なります。
(1)従業員が主治医の診断書(休職との記載あり)を会社へ提出した場合
安全配慮義務の観点からも、提出後すぐに休職となる場合が多く、休職後に産業医面談を実施するケースが一般的です。
(2)会社判断で休職を命ずる場合
(3)産業医判断で休職を命じる場合
産業医面談で休職の必要性が高いとされた場合、産業医から会社へ休職の必要性が打診されて休職手続きに入ります。明確な基準はありませんが、例えば1週間に1日以上の遅刻・早退・欠席が続く場合などは、背景にメンタル不調が隠れている可能性があるため、休職や就業制限が考慮されます。勤怠状況、精神症状や身体症状が出ているか、症状が改善傾向か悪化傾向か、などを産業医に総合的に見てもらい判断してもらいましょう。

「休職時の面談」の準備

会社の就業規則上どのくらいの期間休職が可能かを、あらかじめ本人と産業医を含めて確認するのがよいでしょう。「入社1年以内は休職期間が短い」「同一疾病での休業ができない」「休業は累計で○日以内」などが就業規則で定められている場合は、規則に沿った対応を会社と本人と産業医で調整しましょう。

「休職時の面談」における確認事項

基本的には「メンタル不調者面談」と同様です。

②休職中の面談について

「休職中の面談」が必要な理由は、以下の2つが挙げられます。

1. 休職中の症状の回復経過や生活リズムを把握するため
休職中の回復経過を把握することで、回復の各段階に合わせて産業医から健康面のアドバイスをもらうことができます。また、生活リズムが安定してきたことを見極め、「試し出社」の提案などもすることが可能になります。

2. 休職延長や復職開始のタイミングなどについて提案するため
休職の延長や復職のタイミングは、基本的に主治医の診断書をもとに判断しますが、休職中に定期的に面談を実施することで、産業医からの目線で、休職延長や復職開始のタイミングに関して意見をもらうことができます。

「休職中の面談」のタイミング

休職期間中、定期的な頻度で産業医面談を行いましょう。一般的には月1回程度、症状の改善に応じて2カ月〜半年に1回の面談がよいでしょう。それ以外で、さらに本人や会社から要望がある場合は、随時産業医に面談をしてもらえるよう依頼しましょう。

「休職中の面談」における確認事項

基本的には「休職時の面談」と同様、「メンタル不調者面談」と同じ内容です。
(※詳細は「メンタルヘルスにおける産業医面談の流れとポイント」参照)

③ 復職判定面談について

「復職判定面談」が必要な理由は、以下の2つが挙げられます。

1. 復職判定には専門的な判断が必要となるため
復職判定では、本人の復職意思、休職中の生活や睡眠リズム、身体・精神症状の改善、業務遂行能力の回復、休職に至った原因の見つめ直し、職場側の改善や受け入れ体制などを踏まえて、総合的に判断する必要があります。そのため、医療的な視点に加えて、プライベートを含めた本人を取り巻くさまざまな状況を総合的に考慮する必要があるため、専門家である産業医が面談を行い、客観的に判断をしてもらう必要があります。

2. 会社や主治医の判断のみで復職を許可することはリスクとなるため
本人は、将来や経済面の焦りなどから、体調が回復していないにもかかわらず復帰を強く希望することがあります。その際、主治医の復職診断書は、本人の希望に沿って書かれるケースが多いため、回復状況を客観的に示していないことがあります。本人の希望や主治医の復職診断書のみで復帰を許可してしまうと、体調が改善していないまま仕事に復帰させることになり、結果として仕事が手につかないだけでなく、再度休職になってしまうことがあります。そのため、第三者である専門家の産業医より客観的な判断をしてもらうのがいいでしょう。

「復職判定面談」のタイミング

復職願」と、主治医からの「復職診断書」が本人から会社に提出された後に面談を行います。復職判定面談は会社の安全配慮義務を守る上で最も重要な面談の一つです。

「復職判定面談」における確認事項

下記記事を参考にしてください。

④ 復職後フォロー面談について

「復職後フォロー面談」が必要な理由は、以下の2つが挙げられます。

1. 症状の再発や再休職・離職のリスクを防ぐため
復職直後は業務の負荷がかかるため、症状の再発リスクが高くなり、再休職や離職につながってしまうケースがみられます。原則は、就業制限が解除されて通常勤務に戻るまでは、月に1回、症状の改善に応じて2カ月〜半年に1回産業医面談を行ってフォローアップするのがよいでしょう。

2. 就業制限の変更には専門的な判断が必要
「復職判定面談」と同様に、就業制限の変更や解除には専門的な判断が必要です。そのため、産業医とよく相談しながら、適切に就業制限を変更していくのがよいでしょう。

「復職後フォロー面談」のタイミング

復職後は定期的に面談を行うとよいでしょう。一般的には、通常勤務に戻るまでは、最初は1カ月に1回、症状が安定してきたら2〜3カ月に1回面談を行います。通常勤務に戻るまでは個人差がありますが、6カ月から1~2年かかることもあります。
復職後フォロー面談では、面談の度に就業制限の緩和を検討していきますが、症状が再発している場合は、再休職を防ぐために就業制限を厳しくするケースもあります。

「復職後フォロー面談」における確認事項

基本的には「メンタル不調者面談」と同様です。
(※詳細は「メンタルヘルスにおける産業医面談の流れとポイント」参照)

面談情報の取り扱いにおける注意点

面談内容は個人情報にあたるため、毎回の面談時に、産業医から本人へ情報共有の同意を取得してから会社へ共有されます。具体的には以下のように説明をしてもらうのが良いでしょう。
「面談の内容は基本的に会社に報告することになりますが、会社に伝えてほしくないことがあればその都度教えてください。その場合は会社へはできるだけ伏せて報告します」

同意の取得が得られない面談内容に関しては、基本的には会社へ共有されません。しかし、本人または周囲の安全健康が損なわれるリスクが高い場合は、それが優先されるため、本人の同意なしに会社や家族に共有されるケースもあります。情報共有された際は個人情報の取り扱いに十分注意しましょう。

「産業医意見書」をもとに方針の擦り合わせを

面談後は、産業医から「産業医意見書」を人事労務担当者に提出してもらいます。必要に応じて、職場上司にも意見内容を共有しましょう。
その際、意見書だけでは細かいニュアンスが分からないので、産業医に内容を説明してもらい、会社の意向なども含めて、なるべく口頭でも意見の擦り合わせ合わせをしておきましょう。
本人の同意を得ていれば、産業医面談記録(産業医意見を含む)をそのまま共有してもらってもいいでしょう。

鈴木 健太
監修者
鈴木 健太(すずき けんた)
代表取締役/医師・産業医

1989年、東京都国立市出身。2009年、筑波大学医学部へ入学。
在学中にKinesiology, Arizona State Universityへ留学し、医学・経済学・人文学等を学ぶ。
卒後は国立国際医療研究センターで勤務医として働く。
予防医療の重要性に気づき、帝京大学公衆衛生大学院で健康経営を研究しつつ、産業医として多くの企業を担当する。